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 利家は、一代で出世街道を上り詰めたという意味で、文句なしにすごいと思います。しかし、それをつなぐ責任を負った利長の苦悩は深かったのではないでしょうか。その中で知恵を絞って、お家存続のためにみずからを犠牲にして前田家を守り切りました。その利長亡き後、幕府から何度も謀反の疑いをかけられながら、奇策で苦難を突破していくのが利常です。生き残りをかけて勝負に出た策は、なんと文化路線。これがのちに金沢の多くの工芸品を生むことになります。


 今回のテーマは、「つなぐ」ではないでしょうか。命のバトンを「つない」で、前田家を守り、北陸文化の繁栄に「つなげ」ました。「前田家も、もうここで終わりか」という場面が何度もあったはずですが、そこを知恵と勇気でくぐり抜けることができたからこそ、現代まで「つながって」いる。


 ひるがえって考えると、今を生きる私たちも、先輩たちが受け継いできたものを受け取り、次の世代にバトンを渡しているんだということをあらためて感じます。前田家のように領地領民にかかわるような大きな話ではありませんが、私たちも仕事であったり文化・伝統であったり、生活の知恵であったり、そういった形に現れないものを日々つないでいます。おこがましいですが、私もできることなら、いいものをいい形でつないでいきたいと思い、少し背筋が伸びる思いがしました。

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