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一元的な全国統治と市場的・契約的な社会を世界史上さきがけて確立した中国は、いかなる法秩序を備えていたのか――社会の一般的特徴の析出にはじまり、民事・刑事の法と裁判のありかた、さらには近代法の新たなモデルなど,伝統中国法の全体像を西洋と日本との比較を踏まえ描き尽くす、第一人者が講義の集大成として書き下ろす、待望のスタンダード・テキスト。

寺田 浩明 | 教員一覧 | 京都大学 法学部・法学研究科

西洋法伝統においては、法(社会正義)を社会の中に潜在する規則性(理法・ルール)の如きものとして理解し、権力をそうした理法の透明な実現役として位置づける。それに対して事案事案の個別性を重視する伝統中国法では、何よりも法をルールの如き形で理解すること自体が忌避され、むしろ裁判は「情理」といった根本原理を個別事案毎に案出・実現する過程として組み立てられる。しかしその中国は同時に世界史上において最も早期に体系的な刑法典を作り上げた国家でもある。原理的に非ルール的な法理念を持つ国家において、何故、成文法がかくも発展したのか。非ルール的な裁判において、成文法はどの様な役割を果たすのか。こうした問題の検討を続けている。

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