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 リーダーはプレイヤーではありません。
 当然のことです。プレイするのはメンバーであり、彼らが思う存分活躍することによって「結果」は生み出されるのです。つまり、リーダーは「1円」も稼いでいないということ。いわば、リーダーは直接的に「結果」に繋がることは何ひとつしていないと言ってもいい。いや、優れたリーダーは、一見したところ何もしていないように見えるものなのかもしれません。


 だから、口には出さずとも、現場で一生懸命汗をかいて「結果」を出してくれているメンバーに感謝の気持ちをもたなければならない。これは、リーダーがリーダーとして機能するために、きわめて重要なことがらです。


 ただし、リーダーが「1円」も稼いでいないことは、決してネガティブなことではありません。むしろ、現場のことは現場のオーナーシップに任せることが重要。リーダーがしなければならないのは、現場が活躍しやすいように、あるいは、現場ができるだけ簡単に「結果」を出せるように、最適な「条件」を整えることです。そのことを忘れて、むやみに現場に手を突っ込むような真似をするのは現場にとっては迷惑。リーダーシップを損ねる結果を招くのです。


 だから、私はこう確信しています。
 経営とは「形」をつくることだ、と。
 戦略の「形」を整え、組織の「形」を整え、事業の「形」を整える。そして、現場のメンバーが士気高く、伸び伸びとプレイできる環境を整え、全体が有機的に機能する「エコシステム」をつくり上げることこそが、経営なのです。


 そして、その結果、業績が上がれば、第一に称賛されるのは素晴らしいプレイをしてくれた現場のメンバーです。そこでリーダーがしゃしゃり出る必要などありません。それは、むしろぶざまというべきでしょう。しかし、そんなプレイヤーがたくさん登場してくれれば、自然とリーダーとしての実績も上がります。それを感謝の気持ちをもって受け止めればいいのだと思うのです。

 そして、この「形」というものは代々引き継がれていくものです。

 同時に、改めてこう思いました。
 自分という存在は「大河の一滴」にすぎない。石橋正二郎ブリヂストンを創業して以来、数多くの先人たちが営々とつくり上げてきた「形」のうえに乗っかって仕事をさせていただいてきたのだ、と。


 私が入社2年目でつくった勤怠管理システムのようなミニマムな「形」から、家入さんが決断したファイアストン買収によって生まれた巨大な経営の「形」まで、「あるべき姿」をめざして無数の改善・改革が積み重ねられて、現在のブリヂストンという会社の「形」が出来上がっているのです。私なりに、よりよい「形」をつくり上げるために努力してきたつもりですが、「大河の流れ」を考えれば、それは取るに足らないもの。社長であろうが平社員であろうが、「大河の一滴」にすぎません。その謙虚な気持ちを忘れてはならないと思うのです。


 大事なのは、先人が築いてくれた「形」に対する感謝の気持ちをもつことと、その「形」をよりよいものへと育て上げて次世代に引き継ぐことです。
 間違っても、先人が築いてくれた「形」に乗っかって、そこで取れる果実を全部刈り取って、次世代に引き継いだときには“荒れ野”になっていた、などということをしてはならない。ましてや、社長在任中の業績を“自分の手柄”として喧伝するなどもってのほか。

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