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キューバの首都ハバナでは、19日、議会にあたる人民権力全国会議が開かれ、ラウル・カストロ氏(86)が国家元首である国家評議会議長の職を退き、第1副議長のミゲル・ディアスカネル氏(57)が新たな議長に選出されました。


ディアスカネル氏がカストロ氏に近づいて固く抱擁を交わし、そのあとカストロ氏がディアスカネル氏の手をとって宙に掲げると、会場からは大きな拍手がわき起こり、指導者の交代を強く印象づける場面となりました。


このあと演説したディアスカネル新議長は「国民からわれわれに課せられた使命は、引き続き革命を維持することだ」と述べ、カストロ兄弟が築いた社会主義体制を堅持する考えを強調しました。


ラウル・カストロ氏は兄のフィデル・カストロ前議長とともに1959年に革命を主導して親米政権を倒し、社会主義国家を樹立しました。


キューバオバマ前大統領のアメリカと3年前に国交を回復しましたが、トランプ大統領のもとで関係が再び冷え込んでいます。


トランプ大統領民主化の進展をキューバに要求していて、社会主義体制の堅持を改めて表明したディアスカネル新議長がアメリカにどう対処していくか注目されます。

新たに国家評議会議長に選出されたミゲル・ディアスカネル氏は、キューバ革命の翌年、1960年生まれの57歳。


大学で電子工学を学んだあと革命軍事省に入省、そして、2003年に共産党政治局員となります。その後、2012年には閣僚評議会副議長、2013年からは国家元首に次ぐ国家評議会第1副議長に就任し、ラウル・カストロ議長から信望が厚い人物とされています。


ディアスカネル氏はこれまでのところ、カストロ兄弟が築いた社会主義体制を堅持する考えを示していて、就任後に急激に民主化が進むことはないだろうという見方が大勢を占めています。

そのうえで、ナウアート報道官は、キューバとの外交関係は維持するとしたものの、関係を改善するにはキューバ政府が言論統制などをやめることが必要だと強調しました。


両国間では、去年、キューバの首都ハバナにあるアメリカ大使館の多くの職員が原因不明の体調不良に陥り、アメリカ政府が「キューバ政府には外交団を守る能力が欠けている」と批判して、事実上の対抗措置を取る問題も起きています。


ナウアート報道官は、会見でこの問題について取り上げ、キューバ政府が事実をすみやかに明らかにすることも関係改善には欠かせないとの考えを示しました。

キューバ国家評議会議長を退任したラウル・カストロ氏と、新たに選出されたミゲル・ディアスカネル氏に対して、友好国のロシアのプーチン大統領は19日、電報を送りました。


ロシア大統領府によりますとこのうち、ラウル・カストロ氏に対しては、長年にわたって2国間関係の発展に力を尽くしてくれたことに感謝の意を示しました。そのうえで、ラウル・カストロ氏はロシアの真の友人で、優れた先見の明を持った政治家としてキューバが抱える社会経済的な課題の解決のため、多くのことを成し遂げ、大きな尊敬を集めたとたたえています。


また、ディアスカネル氏に対しては、新たな議長に選出されたことに祝意を示したうえで、ロシアは、友好の伝統と互いへの敬意に基づいた、キューバとの2国間関係を重視しており、戦略的な関係をさらに強化するため、緊密に協力する用意があることを強調しました。


ロシアは、アメリカと地理的に近いキューバとの関係を冷戦時代から重視してきました。4年前、ロシアがウクライナ南部のクリミアを併合し、欧米との対立を深めた時も、プーチン大統領は、キューバで、当時のラウル・カストロ議長と会談し、良好な関係を国際社会にアピールしています。


演説したディアスカネル新議長は、カストロ氏が引き続き共産党トップの第1書記を務めるとしたうえで、「キューバの現在と未来にとって重要な判断は、カストロ氏が先頭にたって行う」と述べました。


そして、アメリカのトランプ大統領民主化の要求を強め、関係が再び冷え込んでいることを念頭に、「キューバには資本主義の復興を狙う国が入り込む余地はない。われわれは、革命を堅持し、社会主義体制の改良を続けていく」と訴えました。


会議では、カストロ氏も演説し「今の大統領が権力の座についてから、アメリカは意図的にわれわれとの関係を後退させた。アメリカによるひぼう中傷などすべてに立ち向かっていく」と述べました。


ディアスカネル新議長が、カストロ氏が退任してもその考えを尊重しながらアメリカに対抗していく方針を示したのに対し、カストロ氏も賛同した形で、今回、指導者が代わっても路線が継承されることを強く印象づけています。

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