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貿易赤字削減のため輸入品に高い関税を上乗せするなど、アメリカのトランプ政権が打ち出す保護主義的な政策に対しては、中国やEU=ヨーロッパ連合などが相次いでアメリカ産の農産物などに報復関税をかけて対抗しています。


こうした中、アメリカ農務省は24日、報復関税で不利益を受ける国内の農業分野を対象に、120億ドル(日本円で1兆3000億円)に上る支援策を導入することを明らかにしました。支援策では、農家に対して補助金の支給や農産物の買い上げ、それに新たな販路の開拓の支援などを行うとしています。


アメリカと各国の貿易摩擦をめぐっては、今週、アルゼンチンで開かれたG20=主要20か国の財務相中央銀行総裁会議でも事態打開の糸口は見いだせませんでした。


トランプ政権が各国の報復関税への対応として巨額の国内向けの支援策を打ち出してかたくなな姿勢を改めて示したことで、貿易摩擦はさらに激しくなることも懸念されます。


アメリカのトランプ政権は輸入車や関連部品への関税の上乗せを検討していて、特にEUが自動車にかけている関税が10%と、アメリカの2.5%より高く、不公平だと主張しています。


こうした貿易の問題を議論するためトランプ大統領は、EUのユンケル委員長と25日、ワシントンで会談することにしています。


この会談を前にトランプ大統領は24日、ツイッターに「私には一つの考えがある。アメリカとEUがすべての関税と貿易障壁などを撤廃することだ」と投稿し、貿易赤字の削減に向けてEUが輸入車などに課している関税の引き下げに応じるよう強く求めました。


今回の首脳会談で貿易をめぐる双方の隔たりが埋まらなければ、トランプ大統領輸入車への関税の上乗せに踏み切る可能性も出てくるとして、アメリカへの輸出が多い日本の自動車業界でも懸念が高まりそうです。


就任以来初めて日本を訪問したドイツのマース外相は25日、河野外務大臣との会談のあと、都内でドイツや日本の記者団の取材に応じました。


この中で、マース外相は「国際政治は信頼なしに成立せず、現代外交において“脅し”は手段にならない」と述べ、アメリカのトランプ政権を暗に批判しました。


そのうえで、「われわれの考え方がワシントン、もしくはホワイトハウスと必ずしも共有されていないことに向き合わなければならない」と指摘し、日本などの国々と経済や政治の面で、より緊密に連携していく姿勢を打ち出しました。


一方で、マース外相は「“アメリカ抜き”は望んでおらず、アメリカは国際秩序に必要な存在だ。われわれはアメリカに対しより大きな影響を与えるとともに、必要に応じて説得していかなければならない」と述べ、協力の必要性も訴えていました。


就任以来初めて日本を訪問したドイツのマース外相は、25日、東京・港区の政策研究大学院大学で開かれた講演会に出席しました。


この中で、マース外相は、ヨーロッパとアメリカの関係について「何十年もかけて培ってきた同盟関係が、ツイッターの投稿によって疑問視されるようになってしまった」と指摘しました。


そのうえで、「国際自由貿易の恩恵を享受してきた日本とヨーロッパにとって、世界中で取り上げられている新たな保護主義や、アメリカが進める『アメリカ第1主義』は共通の試練だ」と述べ、保護主義的な政策を推し進めるアメリカのトランプ政権に強い懸念を示しました。


一方で、マース外相は今回の日本訪問について、「“アメリカに対抗する勢力をつくるためなのか”とよく聞かれるが、そんなことはない」と述べ、あくまでも自由貿易などの重要性をアメリカに伝えるための調整の一環だと強調しました。