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パレスチナ難民には、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関が教育や食料支援を行っていますが、最大の支援国アメリカが資金拠出を凍結している影響で、来月までしか活動できないおそれが出ています。


こうした中、22日、国連安保理パレスチナ問題に関する会合が開かれ、国連政務局トップのディカルロ事務次長は「UNRWAは未曽有の難局に陥っている」と述べました。


そのうえで、2億1700万ドル(日本円でおよそ240億円)の活動資金の不足を解決できなければ、深刻な人道問題が起き、ガザ地区などの安定に悪影響が出ると強い懸念を示しました。


そして、ディカルロ事務次長は「不足を穴埋めしようという国々に感謝するとともに、ほかの国にも活動資金の支援をお願いしたい」と述べ、アメリカを含む安保理のメンバー国に緊急の支援を訴えました。


ディカルロ事務次長は、アメリカの外交官出身で、この日の会合では、後輩にあたるアメリカのコーヘン国連次席大使の隣りの席でしたが、終始、原稿に目を落として発言し、両者が目を合わせることはありませんでした。


アメリカは、UNRWAの年間予算およそ10億ドル(日本円で1100億円)のうち、30%ほどを拠出する最大の支援国です。


しかし、トランプ政権はことし1月、「UNRWAは予算の使い方など組織運営の見直しが必要だ」として、予定していた支援金拠出を当面、凍結すると発表しました。


その背景には、11月に中間選挙を控える中、アメリカ国内の「キリスト教福音派」と呼ばれるイスラエル寄りの支持者たちをつなぎとめたい思惑があるとみられます。


また、トランプ政権がエルサレムイスラエルの首都だと認めたことに対してパレスチナが強く反発したことへの報復という色合いも指摘されています。


アメリカからの資金凍結に直面したUNRWAは先月、一部の事業の取りやめや人員の削減などを発表し、今月16日には、「活動資金は来月までしかもたない」として国際社会に緊急支援を呼びかけていて、およそ530万人にのぼるパレスチナ難民に対する支援活動が岐路に立たされています。