https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

栃木県佐野市は、佐野にいた平安時代の豪族が「佐藤」と名乗ったことから、「佐藤」姓の由来の地とされ、先月、「鈴木」姓の発祥の地とされる和歌山県海南市と地域の活性化などで協力することを決めていました。

海南市は、佐野市台風19号で大きな被害を受けたことを受け、水につかった住宅を掃除するためのたわしやブラシなどおよそ5万点を送り、18日、佐野市の体育館に届けられました。

支援物資を受け取った佐野市の岡部正英市長は「物資を送ってくださった方々に感謝申し上げます。必要としている人にいち早く届けるなど、職員一丸となってできるかぎりのことをしたい」と話していました。

支援物資は市の職員が仕分け、要望のあった自治会に届けるということです。

台風19号の大雨では、埼玉県春日部市にある「地下神殿」とも呼ばれる世界最大級の地下放水路が、浸水の被害を大幅に軽減する役割を果たしました。

春日部市にある「首都圏外郭放水路」は、埼玉県東部の水害対策のために国がおよそ2300億円かけて建設しました。

近くを流れる5つの川から取り込んだ水をいったん放水路にため、ポンプを使って川幅が広い江戸川に排出して氾濫を防ぐ仕組みです。

長さが6.3キロと世界最大級の地下放水路で、水をためる巨大な水槽は59本の柱がそびえ、「地下神殿」とも呼ばれています。

江戸川河川事務所によりますと、今月12日の午前11時半から地下の水槽に水が入り始め、午後7時前には巨大な水槽から江戸川に排出を始めたということです。

一時的に貯水した量はおよそ1200万立方メートル、東京ドーム9杯分に達し、施設が完成した平成18年以降3番目に多かったということです。

河川事務所によりますと、この放水路をはじめ4つの施設が稼働したことなどで、今回と同じ程度の雨量を観測した昭和57年の台風18号と比べて、中川と綾瀬川流域の県内24の自治体の浸水被害は以前の20分の1以下に減ったということです。

首都圏外郭放水路管理支所の高橋正樹支所長は「江戸川の水位があと1m高ければ排水できず緊迫する場面もあったが、地域の浸水被害を軽減することができて安心した」と話していました。

川の氾濫や防災に詳しい埼玉大学の田中規夫教授は「川が決壊するなどして住民が危ないと思ったときには、市街地で水があふれる『内水』氾濫で避難できないこともある。放水路は『内水』を逃がすために効果的だった」と指摘しています。

田中教授は、首都圏外郭放水路をはじめ複数の放水路と遊水池が、埼玉県東部や、低地にある東京 江戸川区葛飾区などの浸水被害を抑える効果があったと分析しました。

そのうえで、首都圏外郭放水路のような施設があるからといって洪水は起きないと安心せず、地域のハザードマップなどを確認し、避難など適切な行動をとることが必要だとしています。

また、大規模な施設だけでなく、建物や道路の地下を遊水池として活用するなど、対策を強化する必要があるとしています。

東日本大震災地盤沈下が発生したことなどでたびたび浸水被害に悩まされてきた釜石市では、市街地の水害対策としておよそ46億円かけて新型の排水ポンプ場がことし6月に整備されました。

しかし、今回の台風でも市街地で浸水被害が広がったため市が調査したところ、市街地の複数の水路に土砂や流木が流れ込んだことで大量の水がポンプ場に運ばれず、水路からあふれ出て浸水被害が拡大していたことが分かりました。
ポンプ場によって排水された水もあったということですが、市はポンプ場に想定どおりに水が運ばれてフル稼働できていれば、浸水被害は広がらなかったとしています。

ポンプ場の責任者の及川博所長は「土砂対策を考えていかなければポンプ場を作った意味もあまりなくなってしまうので、何ができるのか検討していきたい」と話しています。