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ただ、仲の良い男友達に「彼女作らないの?」とか「結婚願望ないの?」と聞くと「お金がないからできない」「自分の生活で精一杯で妻子を養っている余裕がない」と返ってくることも多いので、男性の場合はやはり収入に余裕がないと結婚する気持ちになれないのかもしれません。

山田:いま「若者の恋愛離れ」と言われていますが、結婚する人が少なくなっているだけではなくて、未婚者の中で彼女・彼氏がいる人もどんどん減り続けています。世の中全体でカップル自体の数が減ってきています。

理由はいろいろありますが、様々な調査で2000年を頂点にして、彼女・彼氏がいる人の割合が減っていっているんです。いない理由の中で一番多い回答は「めんどくさい」。細かく調べていくと、付き合うとトラブルがあるから面倒なのではなく、どうやら「コスパが悪い」という意味で面倒だと思っていることがわかってきました。

倉持:「この人と付き合いたい!フラれるかもしれないけど、デートを重ねたり頑張ってアプローチするぞ!」というマインドの人が減って、「お金もかかるし、めんどくさいから別に良いや……」というドライな若者が増えたということですね。

山田:バブルの頃、30年位前は、まさに当たって砕けろ式の人が多かったんですけどね。当時のテレビドラマは恋愛ものが多く、若者の間でも大人気でした。一方、最近流行っているドラマは「ドクターX」や「科捜研の女」など。これらは、女性を主人公にしていても恋愛要素があまり入っていないものが多く、恋愛への関心が減っているというニーズの変化をうまく捉えていると言えます。

倉持:バブル当時のドラマを見ると今の若者は「こんなに恋愛だけに全てを注げないよ」と思う人が多いかもしれませんね。

山田:30年以上、大学で教壇に立ってきましたが、若者は、恋愛に関してとにかく慎重になってきています。最近は、ゼミの学生の方から「先生、好きになったからってこの先続くかわからないし、一時的な気持ちで付き合ったり結婚したりしたらいけませんよね?」と念を押されました。

倉持:確かにSNSでも、「うちの彼氏は外資系勤務だから〜」とか「会社を経営しているの」とか、彼氏の職業マウンティングみたいなものを見かけます。

山田:また、収入が十分ある女性でも相手にはそれなりの年収の条件を求めます。そこには「このまま、働き続けることができるだろうか」という意識が背景にあります。

山田:もともと、日本社会は「偶然による出会い」が少ないという特徴があります。国立社会保障・人口問題研究所というところが50年位前から「結婚相手とどうやって出会ったか」という調査を継続的に行っているのですが、街中や旅先で会ったという「偶然の出会い」は5%くらいでずっと変わっていないんです。逆に欧米だと非常に一般的で、飛行機で隣同士で喋ったことがきっかけで結婚したという人もいるのですが。

街中など偶然の出会いは5%にすぎない

つまり、日本は例え飛行機や長距離列車で隣になっても、他人と普通にコミュニケーションをとるという習慣があまりないんですね。結婚するカップルの多数派は「自然な出会い」と呼べるものです。一番多いのが「職場結婚」。次いで「学校」での出会いです。こうした出会いが好まれるのは、付き合う前に相手のことがわかっているので安心できるからということもあります。職場結婚であれば相手の年収までわかってしまいますから。

そして、その付き合いが結婚につながっていくわけですが、自然な出会いが段々衰退してきています。背景には、職場で正社員の数が少なくなったり、職場自体が忙しくなったりすることによって、出会いが少なくなってきていることが挙げられます。それが、アプリの利用や結婚相談所に相談する人の増加にもつながっていきました。

山田:婚活アプリで出会う人の割合は増えていくと思いますが、結婚数が劇的に増えるかというと、今後もあまり変わらないのではないかと思います。男性の稼ぎが減っていく中で、相手の年収を気にしない女性が2割しかいないという現状は早急に変わるものではないでしょう。

そもそも、いま彼氏・彼女がいないという人の間で、相手を探そうと積極的に動いている人は、多めに見積もっても2割くらいしかいないんです。みんなどこかからくる出会いを待ってるんですね。

倉持:女子会だけしてたり、家にずっといるのに「結婚した〜い」と言っている人もいますが、さすがに結婚相手は空から降ってこないよ!自分からちゃんと行動しないと出会いもないよ……!とは思いますね……。

山田:その「降ってくる」時代は、1990年代に昭和時代と共に終わってしまったということを私は言い続けているのですが、残念ながらなかなか一歩を踏み出せない人が多いですね。

2007年に「婚活」という言葉を作ったのは「相手を待っていても来ませんよ」というメッセージだったのですが、特に女性は依然として、黙っていたら男性が見つけてくれるはずだ、それが一番いいと思っている人が8割いるというのが現状です。

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