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 古来、この国は疫病の流行や天変地異に幾度となく見舞われた。さまざまな「災厄」は人間の側では制御しえない。人びとはそうした災いを、荒々しい怨霊が引き起こす「祟り」と考えたのである。

 怨霊や「祟り神」の気持ちを鎮めるためには、特別なことがおこなわれた。また残された人びとが伝える「物語」が必要であった。

 日本史上最大級の怨霊、崇徳院をめぐる物語から見える、日本人の心の奥に潜むものとは――。

 怨霊発生の温床は、「亡くなった者は自分を怨んでいるだろう。その恨みの深さゆえに、なんらかの方法で復讐しようと、怨みをはらそうとしているだろう。あの世から災厄を送りつけてやりたいと思っているだろう」という勝者側の思いのなかにある。つまり怨霊は、勝者=加害者側の「負い目」「後ろめたさ」「弱み」の念のなかに、あるいは敗者の非業の死に同情する人びとの心のなかに生まれてくるのである。勝者側やその近辺に生じた災厄や不幸を、非業の死を遂げた者の霊の仕業だと判断したとき、怨霊の「祟り」が発生することになる。

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