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気象庁火山課幹部
「レベル5に引き上げる判定基準の『大きな噴石が火口から2.5キロ以上に飛散』とは複数の噴石が飛ぶことを指している。今回は噴石が1つなので、レベル5に上げる対象ではない」「レベル5の見逃しではない」

しかし、公開されている判定基準のどこにも「複数」という言葉はない。気象庁は“見逃し”を認めたくないがために、みずからの基準をねじ曲げて解釈しているのではないか。そもそも、桜島では火口から2.5キロ付近に集落があり、たとえ1つでも火山弾が到達すれば人的被害のおそれがある。幹部に食い下がるも回答は変わらなかった。

気象庁OB
「飛散=複数というのは聞いたことがない。なぜおかしな説明をしたのか。勘違いなのかよく分からない」

気象庁は爆発的な噴火から8日後の6月12日になって「噴石が1つでも飛散とみなし、今回の噴火で、噴火直後に噴石を確認できていればレベル5に引き上げていた」とそれまでの説明を修正。

「科学不信の碑」とも呼ばれる石碑だ。100年余り前の1914年1月に発生した「大正噴火」では地震など噴火の前兆とみられる現象が相次いだが、石碑には「測候所(気象台の前身)は噴火の可能性を否定。村長は残る住民に避難は必要ないと述べた」という経緯が記されている。

当時、その言葉を信じた人は島にとどまり、大噴火で急いで冬の海を泳いで逃げようとして命を落とした。村長の願いで残された石碑の碑文にはこう記されている。

「住民ハ理論ニ信頼セズ 異変ヲ認知スル時ハ 未然ニ避難ノ用意 尤モ肝要トシ…」。

理論を過信せず、異変に気付いた時には事前に避難することが大事だというメッセージだ。世界でも指折りの観測態勢が整備されている桜島でも、火山弾が集落のすぐそばに落下した。噴火警戒レベルという仕組みの隙を突くように。「科学不信の碑」に刻まれた言葉は、100年余り前のものとは思えない説得力で私たちに問いかけている。

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