【速報 JUST IN 】広域強盗 司法相“4人中2人 今週末までに日本に引き渡し可能” #nhk_news https://t.co/xA2vv9hBNP
— NHKニュース (@nhk_news) 2023年1月31日
一連の広域強盗事件に関連して、日本の警察当局は、別の特殊詐欺事件などに関わったとして渡邉優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4人の逮捕状を取り、30日、フィリピン側に対し入管施設に収容されている4人の身柄を引き渡すよう正式に要請しました。
これについてフィリピンのレムリア司法相は31日に会見を開き、「うまくいけば4人のうち2人については今週末までに引き渡すことができる」としたうえで「うち1人は条件が満たされればきょうかあすまでに引き渡すことができる」と述べて日本側に引き渡すための準備を近く整えたいという方針を示しました。
また残りの2人について、フィリピン国内の別の事件の裁判手続きが続いているとして「裁判の内容を精査しながらどれだけ早く対応できるか検討している」と述べました。
さらにレムリア司法相は「残念なことに収容施設内で犯罪組織が運営されていたようだ」と認めたうえで「収容施設内で4人全員の携帯電話を没収した。うち1人は6台の携帯電話を所持していた。日本の警察にも提供する」と日本側の捜査に全面的に協力する姿勢も示しました。
広域強盗事件 山口 岩国の未遂事件で“連絡役”の被告 初公判 #nhk_news https://t.co/GIf3PseIIe
— NHKニュース (@nhk_news) 2023年1月31日
全国で相次いでいる一連の広域強盗事件では、SNSの「闇バイト」でメンバーを集め、実行役を入れ替えながら犯行を繰り返すグループの存在が分かっていて、去年11月に岩国市の住宅で、住人をカッターナイフで脅して手首を結束バンドで縛り、金品を奪おうとした事件も、このグループが関与したとみられています。
岩国市の事件では、5人が強盗未遂と住居侵入の罪で起訴され、31日は、このうち連絡役や運転手役とみられる東京 港区の無職、上野晴生被告(23)の裁判が山口地方裁判所で始まり、被告は「間違いありません」と述べて、起訴された内容を認めました。
冒頭陳述で、検察は「被告はアイドルグループの一員として活動していたが、去年10月末ごろに引っ越し費用などを工面しようと、SNSで『即金5万円』という誘いを見つけて応募し、その後、『運びの仕事がある』『報酬が30万円』などと紹介され、金欲しさに引き受けた」と主張しました。
そして、犯行当日には、「被告は共犯者4人を乗せた車を運転して被害者の住宅まで向かい、氏名不詳の人物と連絡を取りながら、見張りを担当した。強盗事件が未遂で終わり、車で逃走していた際に物損事故を起こして逮捕された」と述べました。
また、検察は、上野被告が事件前日に岡山県内で指示を受け、総社市で警察官になりすまして、89歳の住人からキャッシュカード3枚を盗んで合計120万円を引き出す事件を起こしていたと主張しました。
次回の裁判は、3月6日に開かれる予定です。
去年11月、山口県岩国市の住宅で住人をカッターナイフで脅し、結束バンドで縛るなどして金品を奪おうとした事件では、一連の広域強盗事件の中でも裁判が先行しています。
逮捕・起訴された5人の実行役などのうち、これまでに2人の裁判が開かれ、検察は冒頭陳述などで、グループが役割分担をして事件を起こしたと主張していました。
5人の住所は、東京、栃木、愛知、それに北海道で、SNSで募集された「闇バイト」に応募したとみられています。
検察の冒頭陳述などによりますと、5人のうちの1人で、東京 江戸川区の会社員、渡邉翼被告(26)は、借金の返済に苦しむ中、インターネット上で「日当100万円」と記された求人を見つけて応募しました。
求人の担当者と連絡を取ると、「報酬が100万円のタタキの仕事」と説明されます。
「タタキ」とは、「強盗」を意味する隠語で、被告はインターネットで調べて初めて意味を知りましたが、高額の報酬欲しさから引き受けることを決めたといいます。
そして、指示に従って事件の2日前に広島県内の指定された飲食店に向かい、店の近くに止められた車で別の共犯者2人と合流して、事件に使うための手袋などを受け取ります。
事件前日の11月6日未明に岩国市内の公園に到着し、別の共犯者が車に乗り込み、打ち合わせを行います。
ここで、「上位者との連絡役」とされる2人から、被害者の自宅の写真を示され、
▽家には金庫が2つあり、合計1億円があることや、
▽人がいたら縛ること、
▽金庫の番号が分からなければ、カッターで脅して聞き出すことが、
説明されました。そのまま被害者の自宅に向かい、午前4時ごろ、住宅の窓をバールでたたいたものの割れなかったため、この日の犯行は断念します。
しかし、「連絡役」が「上位者」に報告した結果、翌日に改めて犯行を行うことが決まり、渡邉被告は、いったん岡山県倉敷市の漫画喫茶で指示を待つことになりました。
その後、指示を受けて、広島県内でレンタカーを借り、7日午前2時ごろ、再び岩国市の被害者の自宅の前に到着しました。
渡邉被告らは、鍵のかかっていない窓から侵入し、カッターナイフで脅して、住人を結束バンドで縛ったり、「殺す」などと言ったりしましたが、別の住人が抵抗したことで未遂に終わりました。
検察は、5人の役割分担について、「実行役」「運転手役」「上位者との連絡役」「見張り役」などに分かれ、現場にはいない「上位者」が、犯行を行うかや、レンタカーを借り換えるなど、具体的な指示を出していたとみています。
31日に初公判が行われた上野晴生被告(23)の弁護士によりますと、被告は、ツイッターで「闇バイト」に応募して事件に関わったということです。
去年10月から11月にかけて、特殊詐欺の現金などの受け取り役である「受け子」を打診され、紹介役の指示で、一定時間が過ぎるとメッセージが消えるなど、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を携帯電話にダウンロードします。
そして、「テレグラム」で「桃太郎」と名乗る人物から、免許証に加え、住民票などの写真を撮って送るよう指示され、従ったといいます。
その後、上野被告は、別の名前を名乗る人物から呼び出され、東京 東村山市の久米川駅近くのコンビニエンスストアの前で、「ルフィ」と名乗る人物に直接会いました。
この際に会った「ルフィ」は、30代から40代の中肉中背の男で、関西なまりがあったということで、簡単な犯行指示と準備資金を受け取ったということです。
その後、「ルフィ」からは、すべて「テレグラム」で指示があり、岡山県総社市で「運びの仕事」として、特殊詐欺に「受け子」として関与します。
その後、再び「ルフィ」の指示で、岡山県内で大人数が乗れるレンタカーを借りて、岩国市の事件の犯行グループを乗せて、被害者の自宅に向かったということです。
岩国市で起きた事件で起訴された5人のうち、実行犯の1人の渡邉翼被告(26)がNHKの記者の接見に応じ、当時の状況などを証言しました。
きっかけは闇バイト
きっかけは「闇バイト」の募集でした。
去年11月初め、100万円以上の借金を抱えていた被告は、SNSで「仕事」と検索。
「日当100万円以上」という投稿を見つけて連絡しました。
仕事の詳細を尋ねると、相手からは、一定時間が経過するとメッセージが消える「テレグラム」というアプリで伝えると返信がありました。
このあと被告は、テレグラムで4つのハンドルネームの相手とやりとりすることになりました。
SNSでのやりとり
まず、1番目の相手から「家に行って通帳を受け取るだけ」などというメッセージを受け取ります。
その後、2番目の相手から「新幹線代を渡しても持ち逃げが多い」という理由で、身分証明書を送るよう指示があり、被告は免許証に加えて顔写真も送信しました。
これについて、被告は「個人情報を握られて逃げづらくなった」と話しました。
さらに、3番目の相手から、振り込み用の口座を聞かれた際、勤務先がわかるような写真も送るよう指示がありましたが、被告は「会社に迷惑がかかるのではないか」と考えて、送信しなかったといいます。
そして、4番目は「キム」と名乗る相手からで、隠語で「強盗」を意味する「タタキ」の仕事があり、報酬は100万円だとして、東京から広島県に行くように指示を受けます。
この際に振り込まれた交通費は、片道分のおよそ2万円だけ。
被告は「成功するまでは東京に帰れないという心理状態に陥った」と振り返っています。
指示は誰から?
広島に到着後に、ほかの実行犯と合流し、犯行現場の岩国市の住宅に向かいました。
ほかのメンバーの詳しい素性は分からず、本名は逮捕されたあとに知ったといいます。
ただ、それぞれ指示のあった相手を確認すると、渡邉被告を含む3人が「キム」から、あとの2人は「ルフィ」からでした。
また、渡邉被告と上野晴生被告を除く3人は、犯行の手つきが慣れていて、「東京で強盗のようなことをした」と話していたということで、3人が去年10月に東京 稲城市で起きた強盗事件に関与した疑いで逮捕されたと伝えると、「今思うと納得がいく」と語りました。
現場では
岩国市の事件については、事前の情報では、「おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいる」というものでしたが、実際には別の住人もいたため、「話が違う」と感じたということです。
現場では、石栗一樹被告が耳にイヤホンを付けて、「キム」と連絡を取りながら、渡邉被告に「手をしばれ」などと指示を出していたといいます。
今回の事件では住人が抵抗して、渡邉被告は逮捕されました。
渡邉被告 事件を振り返り
渡邉被告は、指示役を含め、事件に何人が関わっているのか想像がつかなかったといいます。
そのうえで「報酬につられて事件に関わってしまい、被害者の方には申し訳ないと反省している。フィリピンの組織のことは一切分からないが、組織ごとなくなってもらいたい。高額の報酬を呼びかける闇バイトのアカウントに、自分のようにひっかからないようにしてほしい」と話していました。
#法律(広域強盗事件)