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ルノーは5日に開いた取締役会で、日産自動車との提携見直し計画を決議した。関係筋が明らかにした。

両社は1月30日、ルノーによる日産への出資比率を約43%から15%に引き下げて互いの比率を対等にすることなどを明記した声明を発表していた。

日産の取締役会での決議を経て、6日に英ロンドンで正式発表する見通し。

日産自動車ルノーは、両社の出資比率を対等な立場に見直すなど、新たな提携についてそれぞれの取締役会で決議し、一連の交渉が正式に合意しました。

ルノーが設立するEVの新会社に日産が出資することや、インドと中南米での協業なども盛り込まれ、両社の関係は新たな段階に移ります。

イギリスのロンドンで経営トップがそろって開かれた記者会見で、日産の内田誠社長は「対等なパートナーシップは変革を可能にするものだ。新しい体制が相互信頼を深め、自動車産業の未来に対する共通の野心も加速できると確信している」と述べ、意義を強調しました。

ルノーのスナール会長は「3社の車のプラットフォームの6割は共通化されているが2026年までに最大80%、EVに関しては90%になるだろう。新たな展望だ」と述べました。

ルノーのルカ・デメオCEOは「単に資本の持ち合いのやり方を変えるだけでなく、ガバナンスや投資を見直す。EVの新会社は特にヨーロッパで日産、三菱自動車にとってもメリットが共有できるものだ」と述べました。

両社と提携関係にある三菱自動車工業の加藤隆雄社長は、ルノーが設立するEVの新会社について「ヨーロッパの厳しい排ガス規制を背景に、EVの導入を検討せざるをえない。新会社は、われわれにとって非常に魅力的なソリューションの1つになると確信している」と述べました。

新たな提携では、これまでの資本提携ルノー保有してきた日産の株式を43%から日産側と同じ15%に引き下げ、対等な立場に見直します。

この見直しにあわせてルノー側は、EVの新会社への日産の出資を求めていましたが、これについては「最大で15%を出資する意向」だとしています。

異業種も参入してEVや自動運転の開発が行われ、競争が激化する中、日産がルノーとの資本関係を見直して提携を強化し、明確な経営戦略を打ち出すことができるのか注目されます。

20年にわたって続いてきた自社にとって有利な出資比率をなぜルノーは見直すことに応じたのか。背景には、ヨーロッパで急速に進むEVシフトがあります。

ヨーロッパでは、2035年にエンジン車の新車販売が事実上禁止される見通しで、ルノーにとってあらたに設立するEVの新会社は企業の生き残りを左右する存在となっています。このため、日産から出資を得て多額の開発資金を確保し、EVの量産化で先行する日産から技術協力を取り付けることを優先したものとみられます。

またロシアによるウクライナ侵攻で、ルノーは大きな収益源だったロシア市場からの撤退を余儀なくされました。重要な市場を失ったことでEVの新会社には、日産からの出資が必要だったとみられています。

かつて、ルノーは深刻な経営不振に陥っていた日産に対して6000億円を超える出資をし、日産を救済しましたが、今回はルノーの経営環境をめぐる危機感も出資比率見直しに影響しています。

日産自動車ルノーは、今回の合意によって資本関係が対等な立場となることで日産としては経営の独立性がこれまでよりも高まることになります。

その一方で両社は、ビジネスの面ではこれまでの協業の関係をさらに深める方針です。

今後の協業としては、まず、地域戦略の強化があります。

今回の合意では、日産とルノー三菱自動車の3社は去年、日本を抜いて世界第3位の市場となったインドをはじめ、今後の成長が期待される中南米の地域で事業の拡大を進めます。さらに、欧州などについても協業によっててこ入れを図る方針です。

このうち、中南米では、日産とルノーが小型EVを2車種販売するほか、日産がメキシコで20年ぶりにルノー向けに新型車を生産します。

インドでも日産とルノーが協力して小型EVの投入を検討するほか、SUV=多目的スポーツ車など複数の新型車で協業を検討するとしています。

このほか、ヨーロッパでは2026年以降、日産とルノーが次世代のEVで協業の可能性を模索するほか、ルノー三菱自動車ルノーの開発した車を活用し、新型車2車種を共同で開発するとしています。

また、ヨーロッパでは、車両の開発などにとどまらず、物流やアフターセールス、それにバッテリーのリサイクルなどでも協業し、3社連合の連携をさらに深める戦略です。

もうひとつは、EV=電気自動車の事業強化です。今回の合意でルノーが設立するEV事業の新会社に対し、日産は、最大15%出資する方針を決めました。

ただ、EVの分野では、アメリカのテスラや中国のBYDが世界市場で高いシェアをすでに獲得しています。

一方で、異業種からの参入も相次いでいます。
ソニーグループはホンダと提携し、台湾のホンハイ精密工業も、幅広く提携企業を募る形で参入しました。

ルノーのEVの新会社には半導体大手クアルコムやIT大手グーグルも参加し、自動運転などに必要なソフトウエアの開発も強化する方針です。

一方、日産にとっては、経営の独立性が高まることをどのように事業戦略につなげていくかがこれからの課題です。

EVへのシフトと自動運転の開発は、自動車業界にとって100年に一度の変革期と言われてます。特に異業種の相次ぐ参入は、かつての勝者が一気に入れ代わるいわば「ゲームチェンジ」の様相を見せています。

日産が従来の自動車メーカーの枠組みにとらわれない新しい提携戦略を主体的に描くことができるかが、生き残りを賭ける競争のカギとなりそうです。

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