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横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人は、3年前の2020年3月、軍事転用が可能な機械を国の許可を得ずに中国に不正に輸出したとして逮捕・起訴されましたが、その後、輸出規制の対象に該当しない可能性があるとして起訴が取り消され、無実が明らかになりました。

この事件では、容疑を否認し続けた社長ら3人が1年近くにわたって勾留され、このうち技術者だった相嶋静夫さんは、勾留中にがんが見つかり、無実を訴えたまま亡くなりました。

なぜ、捜査に歯止めがかからず起訴に至ったのか。

NHKが入手した内偵捜査の段階での警視庁公安部と、経済産業省の担当者との協議を記録した警察の内部メモには、経産省の担当者が、会社の機械が規制の対象にはならないという懸念を示しながらも、強制捜査を許容するような発言をしたと記されていたことが明らかになっています。

そしてNHKは新たに、会社側が警視庁の強制捜査を受けたあとの2018年12月から、3人が逮捕・起訴された後の2020年4月まで、16回にわたって行われた警視庁公安部の捜査員と東京地方検察庁の複数の検事とのやりとりを記録した警察の内部メモを入手しました。

不正輸出が疑われた「噴霧乾燥機」について、経済産業省の省令では、機械内部を「滅菌」または「殺菌」できる能力があるものを輸出規制の対象にしています。

しかし、「殺菌」の定義があいまいで、その具体的な手段が明確に示されていなかったため、会社の機械が規制対象に当たるのか、会社側と警視庁側の主張が対立していました。

これについて、逮捕前の2018年12月と2019年4月のやりとりを記録した警察の内部メモには、逮捕前に担当した2人の検事が「これを『おかしい』とは一概に否定できない」とか「『殺菌できる』の定義が定まっていないのが問題」などと発言したと記されていて、経産省の担当者と同じように「殺菌」の定義や手段のあいまいさに懸念を示していたことがうかがえます。

一方、2019年7月のメモには、起訴を担当した後任の3人目の検事外事警察としての立場は私も十分に理解している。技術としても流出しているのでなんとかしたい気持ちはある」などと、警視庁の捜査に理解を示していたことがうかがえる発言をしたと記されています。

しかし、この検事も、起訴する前の2020年3月のメモでは「解釈自体が、規定がおかしいという前提であれば起訴できない。捜査段階では検証していないのか」「経産省が解釈を出すのが遅すぎて犯行当時、判断基準がなかったというのが通るのであれば起訴できない」「そういう整理でやってきたと思っていた。そうでないと不安になってきた。大丈夫か」などと発言したと記されていました。

社長ら3人は、このやりとりの1週間後に起訴され、1年近く勾留された後、3人目の検事とは別の検事が起訴を取り消しました。

警視庁側に起訴取り消しの方針を伝えた際のやりとりを記録したとみられる2021年7月の別の内部メモには、東京地検「法令解釈を裁判官に説明できない。『意図的に、立件方向にねじ曲げた』という解釈を裁判官にされるリスクがある」と指摘したと記されていました。

起訴を担当した検事は、ことし7月、会社側が国と東京都に賠償を求めている裁判に証人として出廷しましたが、経産省が規制要件の明確な定義を持っていなかったことを警視庁の捜査員から聞かされていたか問われたのに対し、そのような事実は「ない」と証言していました。

NHKは、起訴を担当した検事に内部メモに記載されていた発言内容や起訴した理由について質問を出しましたが、検事は「コメントしない」としています。

会社側が国と東京都に賠償を求めている裁判は、今月27日に判決が言い渡されます。

捜査員や担当検事 法廷での証言は
会社側が国や東京都を訴えた裁判では、現職の警視庁公安部の捜査員や事件を担当した検事が証人として出廷しました。

ことし6月の裁判では、会社側の弁護士から「輸出規制に関する経済産業省の基準が明確でなかったことに乗じて公安部が事件をでっち上げたのか」と問われると、警視庁公安部の警部補は「まあ、ねつ造ですね」と述べました。

そして裁判官の質問に対し「輸出自体は問題ないと思っていたが、捜査員の個人的な欲でそうなった」と述べました。

また別の警部補は「捜査幹部がマイナス証拠を取り上げない姿勢だった」などと証言し、捜査に不利な証拠についても調べていれば今回のような事態にはならなかったと述べました。

一方、裁判で国や東京都は「違法な捜査はなかった」と主張し、東京都は「警部補らの証言は具体的な根拠がなく臆測が含まれていて信用できない」と反論しています。

逮捕・起訴を担当した検事は、ことし7月の裁判に証人として出廷し「警察から出された証拠を見ると経済産業省は機械が規制の対象に該当する可能性が高いと回答していたし、3人の調書を読んでも容疑をおおむね認めていたことなどから、逮捕状の請求を認め、起訴した」と説明しました。

また、経産省が規制要件の明確な定義を持っていなかったことを警視庁の捜査員から聞かされていたか問われたのに対し、そのような事実は「ない」と述べました。

そして、起訴の判断については「そこに戻ってどういう判断をするかというと同じ判断をする」とした上で、会社側の弁護士から勾留中にがんが見つかり亡くなった相嶋さんに謝罪の気持ちがあるか問われたのに対しては「当時の判断に間違いがあったとは思っていないので、謝罪はありません」と述べていました。

#法律(大川原化工機起訴取り消し事件・起訴担当後任3人目検事「外事警察としての立場は私も十分に理解している。技術としても流出しているのでなんとかしたい気持ちはある」「解釈自体が、規定がおかしいという前提であれば起訴できない。捜査段階では検証していないのか」「経産省が解釈を出すのが遅すぎて犯行当時、判断基準がなかったというのが通るのであれば起訴できない」「そういう整理でやってきたと思っていた。そうでないと不安になってきた。大丈夫か」) 

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#法律(大川原化工機起訴取り消し事件・経産省課長補佐「協力できるところは協力したいと思っている。ガサに入りたいというなら、裁判官が令状を出すのに足りる表現をしたいと思う」「できれば、ガサで得た情報で、他の件で立件してもらえれば、ありがたい」「警察のガサに期待している面もある。別件で、本丸をみつけるのでもいいし」「公安部長が盛り上がっているというのは耳に入ってきている。部長から、ガサ後にクロにしてくれと来られても困る」)