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大リーグ、ドジャースは、大谷翔平選手の通訳を務める水原一平氏を解雇したことを明らかにしました。アメリカの複数のメディアは水原氏が違法賭博に関与したなどと報じていますが、球団は解雇の理由については明らかにせず、情報を収集しているとしたうえで、「現時点ではこれ以上のコメントはない」としています。

アメリカの複数のメディアは20日、大谷選手の代理人弁護士が水原氏が違法賭博に関与したと明らかにしたなどと伝え、このうちロサンゼルス・タイムズは、水原氏が連邦捜査の対象となっている違法な「ブックメーカー」と呼ばれる賭け屋で賭けるために、大谷選手の資金を「大規模に盗んだ」としています。

また、アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNによりますと、大谷選手の口座からこのブックメーカーに対して450万ドル、日本円でおよそ6億8000万円が送金されていたということです。

これについて球団はNHKの取材に対して、「報道の内容は把握している」としたうえで、水原氏を解雇したことを明らかにしました。ただ、解雇の理由については明らかにせず、情報を収集しているとしたうえで、「現時点ではこれ以上のコメントはない」としています。

水原氏はエンジェルス時代から大谷選手の専属通訳として、昨シーズンのオフに大谷選手とともにドジャースに移籍しました。韓国のソウルで行われているドジャースの開幕シリーズにも同行して、20日夜の開幕戦もベンチ入りし、試合後の大谷選手の取材対応の際にも通訳していました。

水原氏「すべて自分のせい」 米メディア
ESPNは水原氏がギャンブルで多額の借金を抱えていたとも伝えていて、取材に対して、水原氏本人が去年、借金の返済を大谷選手に依頼したと明かしたとしています。

その中で水原氏は「翔平はギャンブルに全く関与していなかったということを知ってほしい。このギャンブルが違法だとは知らなかった」などと話したということです。

また、20日夜の試合後には、水原氏がドジャースのチームメートに対して、みずからがギャンブル依存症であるとした上で「すべて自分のせいだ」などと説明したということです。

◇水原一平氏:大谷翔平の大リーグ移籍後 専属通訳務める
大谷選手の専属通訳を務める水原一平氏は、39歳。北海道出身で幼少期にロサンゼルスに移住し、アメリカの大学を卒業しました。2012年からプロ野球の日本ハムで外国人選手の通訳を務め、この年のオフに日本ハム大谷翔平選手が入団しました。

2017年のオフに大谷選手が大リーグのエンジェルスと契約を結んだあとは、水原氏もエンジェルスに移籍して大谷選手の専属通訳となりました。今シーズン、大谷選手がエンジェルスからドジャースに移籍したのに合わせて水原氏もドジャースに移籍しました。

水原氏は大谷選手の通訳業務はもちろん、球場の送り迎えやキャッチボールの相手を務めるなど常に大谷選手と行動をともにしていて、大谷選手からの信頼も厚く、家族同然とも言える関係を築いていました。

大谷選手が初めてシーズンMVP=最優秀選手を受賞した2021年11月には、苦難を乗り越えた時の支えになった人として「お世話になったのは一平さん」と名前を挙げていました。

これまで大谷選手をもっとも近くで支えてきた水原氏が突然、チームを去ることになり、新天地で新たなシーズンをスタートしたばかりの大谷選手への影響も懸念されます。

“大谷選手は巨額の窃盗の被害者” 弁護士事務所
大谷翔平選手のメディア対応を担っている弁護士事務所は、NHKの取材に対し「メディアからの問い合わせに対応していく過程で、大谷選手が巨額の窃盗の被害者であることが明らかになった。今回の件については当局に対応を委ねる」とメールで回答しました。

大リーグ開幕シリーズが行われている韓国 ソウルの球場では
大リーグ開幕シリーズが行われている韓国 ソウルの球場前でファンに話を聞きました。

大阪から観光に来た女性は「大谷選手との間で信頼関係があったはずなのに、残念だ。きょうも試合があるので、そっとしてあげてほしい」と話していました。

名古屋から旅行で来た家族連れは「大谷選手はプロなのでメンタルは強いと思う。ショックはあるだろうが、そこは関係なくやってくれると思う」と話していました。

20日の試合を球場で観戦したという女性は「朝、ニュースを見て、とてもショックだった」と話していました。

21日夜の試合で大谷選手を応援するためプサン(釜山)から来た韓国人大学生は「残念だが、大谷選手はそういうことに流されずにやっていける選手だと思う。引き続き応援していきたい」と話していました。