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大リーグのアメリカンリーグは1日、レギュラーシーズンの全日程が終了し、個人タイトルが確定しました。

この結果、エンジェルスの大谷選手はホームラン44本で初のホームラン王のタイトルを獲得しました。

2位はプロ野球の巨人でもプレーしたレンジャーズのガルシア選手で39本でした。

大谷選手は右ひじのじん帯損傷や脇腹のけがのため先月3日のアスレティックス戦以降欠場するなど、今シーズンは135試合の出場でしたが、6月と7月に合わせてホームラン24本と驚異的なペースでホームランを量産し、タイトルを獲得しました。

日本選手が大リーグでホームラン王を獲得するのは初めてで、アジア出身の選手としても大リーグ史上初の快挙です。

また、首位打者打点王を含めたバッターの主要3部門でのタイトル獲得は、日本選手では2004年に首位打者を獲得したイチローさん以来、19年ぶりとなります。

先月19日に右ひじのじん帯を修復する手術を受けた大谷選手は、本拠地、エンジェルスタジアムで行われた1日のアスレティックスとの最終戦に姿を見せ、試合中はベンチでチームメートと笑顔で会話する姿も見られました。

エンジェルスはシーズン最終戦は7対3で勝利し73勝89敗となりましたが、大谷選手や主軸のトラウト選手などけが人が相次いだこともあってアメリカンリーグ西部地区の4位に終わり、9年連続でプレーオフ進出を逃しました。

大谷選手は今シーズン限りでエンジェルスとの契約が終了し、ワールドシリーズ終了後にはプロ入り後、初めてのFA=フリーエージェントとなる予定で、大リーグ7年目となる来シーズンを移籍した新天地で迎えるのか、それともエンジェルスに残留するのか、その決断に関心が高まっています。

大谷「大変恐縮で光栄なこと」
大谷選手は試合後、クラブハウスで選手たちと笑顔でハグを交わすなどしてあいさつし、球場を後にしました。

初のホームラン王獲得については球団を通じて「大リーグでこれまで活躍された偉大な日本選手たちのことを考えると、大変恐縮であり光栄なことです。この目標を達成するのに協力してくれたチームメート、コーチングスタッフ、ファンに感謝します」とコメントを発表しました。

三冠王経験のカブレーラ「彼は別の惑星から来たと思う」
三冠王の経験もある今シーズン限りで引退したタイガースのカブレーラ選手がNHKの取材に応じ、今シーズンの大谷選手について「彼は別の惑星から来た人。信じられないものだったし、最高だった」とユーモアを交えながらその活躍をたたえました。

大リーグで通算511本のホームランを打ち、2012年には三冠王に輝いた40歳のカブレーラ選手は今シーズン限りで現役を引退しました。

カブレーラ選手はエンジェルス戦でファーストを守った際に大谷選手が出塁すると一塁ベース上で大谷選手の走塁用の手袋をポケットから抜き取るいたずらを仕掛けるなど、トップ選手どうしの仲むつまじい交流の様子がたびたび話題になりました。

そのカブレーラ選手は引退前の先月、NHKの取材に応じ今シーズンの大谷選手について「信じられないものだったし、最高だった。彼は別の惑星から来たと思う。日本ではなく、火星出身だ。毎日、彼のプレーを見るのは本当に楽しかった」と笑顔で振り返り、ユーモアを交えながらその活躍をたたえました。

特に印象に残った場面には、ことし7月に行われたエンジェルスとタイガースのダブルヘッダーで大谷選手が第1試合で完封勝利、第2試合でホームラン2本を打った試合をあげ「特別なことだった。その後けがをしたが、今シーズン残した数字は信じられないもので、MVPを受賞すると思う。彼を他の選手と比較することはできない」と話しました。

そして「すばらしい才能を持った選手なのでいつか三冠王になるチャンスはあると思うし、彼自身もそれを望んでいると思う。私の意見では最も偉大な選手はイチローで、彼は4000本安打を打った。私は3000本だけだった。でも、もしかしたら大谷が引退する頃には大谷がナンバーワンかもしれない。それには、より多くの試合に出場することが必要だ」と話し、大谷選手が自身に続く三冠王になることや、長くキャリアを重ねることを期待していました。

カブス 鈴木誠也「日本人でも行けるんだと翔平が示してくれた」
大谷選手と同学年で、今シーズン、カブスでホームラン20本を打った鈴木誠也選手は「やっぱり歴史を変えた選手。日本人でもそういった所に行けるんだというのを翔平が示してくれたと思うので、より目標を高く持って戦っていきたいと思う」と刺激を受けている様子でした。

米ベテラン記者も絶賛「大谷は何でも可能にしてしまう」
大谷選手が日本、そしてアジア出身の選手として初めて大リーグでホームラン王を獲得したことについて、大リーグを30年以上取材しているベテラン記者は「日本の選手がホームラン王をとるとは考えたこともなかった。大谷は何でも可能にしてしまう」と舌を巻きました。

大谷選手の特集記事をニューヨーク・タイムズで数多く執筆しているスコット・ミラー記者は、大谷選手について「アメリカでも見たことのない選手で、ベーブ・ルースでも成し遂げられなかったことをやってのけている。毎晩彼を見ながら、『今夜は何をやるんだろう』とワクワクする」と絶賛しました。

その上で「日本の選手が大リーグでホームラン王のタイトルをとるとは考えたこともなかった。でもこれは、大谷が日本出身でもアメリカ出身でも、どこの出身であろうと彼がいかにすばらしい才能の持ち主であるかを改めて物語っていると思う。大谷は何でも可能にしてしまうし、私たちがつい誰かに課すような制限も、彼にとっては意味が無い。それは本当にクールなことで、大谷の持つすばらしいものの1つだ」と話しました。

そして、「大谷ほど野球を愛している人はいないでしょう。大谷の物語は、私たちの誰もが想像していた以上にすばらしい。だから、その物語ができるだけ長く続くことを願っている」と話し、大谷選手の息の長い活躍を願っていました。

米メディア 大谷の2年ぶりのMVP受賞を確実視
右ひじと脇腹のけがによって不本意な形でシーズンを終えることになった大谷選手ですが、来月発表される予定のシーズンMVP=最優秀選手は早くも受賞が確実視されています。

大谷選手はホームランだけでなく、出塁率の4割1分2厘がリーグトップ、長打率の6割5分4厘は大リーグトップの成績で、いずれの数字も大リーグ6年目で自己最高でした。

さらに出塁率長打率を足した「OPS」も1.066で大リーグトップとなり、自身初めて「1」の大台を超えました。

これまでの日本選手では、大谷選手がホームラン46本を打ったおととしの0.965が最高で、次いでヤンキース時代の松井秀喜さんが打率2割9分8厘、ホームラン31本をマークした2004年に0.912でした。

OPSはチームの得点にどれだけ貢献したかを示すとされ、バッターを評価する際の基準の1つになっています。

大リーグでは選手が打席に入る際に球場の電光掲示板に表示されるのが打率でなくOPSというケースもあるなど、近年は一般的に使用されています。

大谷選手自身もこれまで「打席ではもちろんOPSが大事」と話していた数字で、今回、ホームラン王とともにこのOPSでも日本選手として初めてトップとなりました。

OPSはシーズンMVPを選ぶ記者投票でも大きな目安の1つになっていて、昨シーズンはOPSで両リーグでそれぞれトップだったヤンキースのジャッジ選手とカーディナルスのゴールドシュミット選手がMVPを受賞しました。

アメリカのメディアの間ではことしは大谷選手の2年ぶりのMVP受賞を早くも確実視していて、大手スポーツニュースサイトの「The Athletic」でエンジェルスを担当しているサム・ブラム記者は「大谷が満票でのMVPになるべきだと思う。けがで9月はほとんどプレーできなかったが、それでも彼は前例のない、最高の1年を過ごした。レンジャーズのシーガーやアストロズのタッカーなど、すばらしいシーズンを過ごした選手はいるが、大谷には遠く及ばない。満票か、1位票を3票ほど失うかどうかの違いで、MVP受賞は間違いない」と話していました。

東京駅では号外 歓喜の声「来年はトリプルスリーに期待」
東京駅では1日午前9時前から快挙を伝える新聞の号外が配られ、仕事や学校に向かう人などが次々と受け取っていました。

号外には大きく「大谷本塁打王」「メジャー日本人初」などと書かれていて、用意された500部は30分ほどでなくなりました。

受け取った19歳の大学生は「おめでとうございます。日本ハムのファンで、当時から大谷選手を応援しています。来年は、打者として打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーを期待したいです」と話していました。

30代の会社員の男性は「けがで終盤の試合に出られなかったのにホームラン王を獲得してすごいと思います。大谷選手のホームランを見て元気をもらっていました」と話していました。

また、小学4年生のころから野球を続けているという20代の男性は「松井秀喜選手でもホームラン王を取れなかったので、日本人は無理かなと思っていましたが本当にすごいです。二刀流は今までなかったので来季はけがなくシーズンを通してプレーしてほしい」と話していました。

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