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イエレン米財務長官は22日、孤立主義を批判し、米政府のリーダーシップは世界経済を支え、米国民に利益をもたらすとの考えを示した。

  大統領選まであと2週間となる中、イエレン長官はワシントンで、トランプ前大統領を暗に批判した。

  イエレン氏は以前から米国の世界経済への関与を主張してきたが、今回の発言は、世界銀行国際通貨基金IMF)の年次総会で世界の経済界指導者がワシントンに集まる中でのものとなった。米国の選挙結果は地政学や貿易、インフレに大きな影響をもたらすとみられる。

  トランプ氏は関税を経済政策の有力な手段として主張しており、ホワイトハウスに復帰すれば広範な保護主義的措置を講じると公約している。一部のエコノミストは、そうなった場合は米国内の物価を上昇させ、世界的に予測不可能な影響を及ぼすとの見通しを示している。

  バイデン政権は制裁措置や輸出規制、産業政策の範囲を狭め、トランプ政権時代の対中関税を維持し、さらに強化した。これら全てはIMFから批判されている。

  イエレン長官は米経済の力強さを称賛し、「世界成長の重要なエンジン」と指摘。米国の労働市場は「歴史的」な回復を見せ、昨年と今年の経済成長率は他の大半の先進国のほぼ2倍になっていると続けた。

原題:Yellen Defends US Global Economic Role and Condemns Isolationism(抜粋)

イエレン米財務長官は22日、主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)はロシアの凍結資産を活用したウクライナへの500億ドルの融資の最終合意に「非常に近づいている」との見方を示した。米国は約200億ドルを担当する見込みだと明らかにした。

イエレン氏は国際通貨基金IMF)・世銀年次総会の冒頭の記者会見で、「この500億ドルの融資のうち、米国が負担する部分の最終決定に非常に近づいている」と言明。

米国の納税者が費用を負担するわけではないと繰り返し説明し、凍結されたロシア中央銀行の資産から得られる利子収入を融資の返済に充てると強調した。

また、特に現在の戦争の展開を踏まえると、EUが資産の凍結を長期にわたって続けることを米国は受け入れる用意があると述べた。

#反ロシア#対中露戦

イエレン米財務長官と国際通貨基金IMF)チーフエコノミストのピエール・オリビエ・グランシャ氏は22日、中国が最近発表した景気刺激策が内需を大幅に押し上げる可能性は低いとの見方を示した。

中国人民銀行中央銀行)と財政省から、過剰生産を吸収し成長を押し上げるような需要喚起策は今のところ発表されていないとした。

イエレン氏はIMF世界銀行年次総会の記者会見で「中国の国内総生産(GDP)に占める個人消費の割合を高めることが、不動産部門の問題への対処とともに非常に重要」との見方を示した上で、今のところこれに対処するような政策は見られないと述べた。

グランシャ氏はIMFの世界経済見通しに関する会見で、中国の財政刺激策は現時点で詳細が不足しているため、中国の成長見通しには反映されていないと説明。人民銀が先月発表した金融緩和策も成長を大きく押し上げる効果はほとんどないとの見方を示した。

また、グランシャ氏はインタビューで中国の産業政策について、一部業界に有利に働いている可能性はあるが、同国の輸出や対外黒字拡大の根本原因ではないとし、内需の弱さや米国の過剰消費を含むマクロ要因が黒字拡大の主因だと述べた。

その上で、米中の不均衡を縮小する方法は、現在輸出に回されている生産を吸収するために内需を押し上げることで、そのためには消費者心理を冷やしている不動産部門の問題を解決する必要があると指摘。また、米国が財政を引き締めれば、中国からの輸入品に対する過剰な需要が抑制されるとした。

一方、イエレン氏は中国の「極めて莫大な」補助金が特に電気自動車(EV)や車載電池、太陽光、半導体など米製造業の雇用を脅かしていると述べた。

同氏によると、米中は向こう1週間にワシントンで経済・金融分野の作業部会を開き、中国の工業生産能力について協議する見通し。

#中国経済

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