長年、ロンドンを拠点に国際マネー動向を観察してきた国際金融アナリストのA・シムキン氏が打ち明ける。「チャイナ・マネーが対日証券投資を活発化させている」。 シムキン氏の調べによると、ロンドンからの対日証券投資は2007年後半で13兆5000億円(2006年後半は6兆4200億円)と2倍以上に増えた。「この多くが北京を源とする資金で、ねらいは円高促進」と同氏は推測する。
中国は金融市場が未整備なことや開発が遅れている内陸農村部への打撃を避けるため、金融引き締めには限界がある。このため人民元を高めに誘導して、輸入物価の上昇を抑制する必要に迫られている。
ライバルの円は人民元に対してレートが下がってきた。この基調がさらに強くなると中国製品は競合する日本製品に比べて競争力が後退する恐れがある。