田原総一朗の政財界「ここだけの話」北京五輪で何かが変わるか? 中国の変化と日本人の意識
中国でのオリンピックに、批判的な意見と支持する意見があるわけだが、日本では批判の方が強い。
靖国参拝や南京大虐殺、教科書問題といった歴史的問題があり、中国人のほうが日本人を嫌っているという認識がある。
ところが、実際には、日本人で中国人を嫌いだと思っている人の方が多いのだ。
中国共産党が嵌めて中共政権が出来ていて、今でも国内を抑えるために利用しているからだ。
それに日本人が気づいたのだ。
僕は、今、中国の胡錦濤政権は大きく変わろうとしていると見ている。むしろ、このオリンピックを機に、大きく変わろうとしているのだと捉えている。
オリンピック開催に際して、このような事件と報道が起きることを胡錦濤政権は予測していたと僕は見ている。
僕たちは、習近平に、中国でのオリンピック開催にあたって、「報道の自由を守らなければならないし、チベットの問題もきちんと報道すべきだ」と意見すると、彼も「その通りだと思う」とうなずいていた。
しかし、ほとんどの国民がその事実を知っている。なぜならばインターネットがあるからだ。
そこで、中国は、そのような事実を国民が知っているのに、それを新聞やテレビでは報道しないとなると、国民のマスメディア不信が広がる。マスメディアに対する国民の不信が募るということは、政府に対する国民の不信が募るということだ。
これは良くない、改めなくてはならない、ということになり、むしろメディアで事実を報道すべきだということになってきた。
アメリカが中国と何かしたい時は日本に頼まないとうまくいかない、中国がアメリカと何かしたい時は日本を通さないとうまくいかない。
日本はこのような立場であり続けなければならない。
特に、今、右寄りの雑誌が中国に敵意を込めてバッシングをしている。これは完全に日本の世論をミスリードするだろう。