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【さらば革命的世代】第2部(8)シラケ世代の視線「生身の声を聞かせてほしい」 劇作家 鴻上尚史さん

「おいしいところだけもっていった彼らは、時代の熱狂と自分たちの青春が偶然にも一致した幸福かつ不幸な世代だったとも思うんです」

学生運動は人殺しとかかわりかねないもの」

「僕らの世代が彼ら全共闘への嫌悪感が一番強いかもしれません」

 「全共闘世代の人を年老いた両親を見つめるような気持ちになってきた。人の寿命が200年あれば『まだ許せない』と思うでしょうが、彼らも年齢的に死を考える時期を迎えている。『あなた方はこのまま死んでいいんですか』と思うようになってきたんです」

なぜ相手を傷つける結果になったのかを次の世代に語ってほしいのです

 彼らが学生運動に入り込んだきっかけは「カッコ良く見られたかった」という正直な気持ちと「戦争は良くない」「大学をなんとかしたい」という純粋な正義感に集約されると、鴻上さんは思っている。ただ、「それらを正しい動機だと言えない環境ができてしまったのは、なぜなのか」。

団塊世代を総括する

団塊世代を総括する

ことばだけ理屈っぽいが、実は感情的で、本音では小市民的な人生観で狡猾に生きている同世代人を身近に知っているひとには、うなずける論評も多いと思う。

「できればのんびり、趣味に没頭してそこそこの生活をしたい」と思っていたことが、団塊ジュニア含む現代社会の問題を多く生み出しているのではないか、というくだりは説得力をもつ。

本書の最も興味深い点は、団塊の世代がその子供の世代に対してどのような影響を与えたのかについて明らかにしているところである。「消費」が突出し、反抗を常とし、そして勤労意欲に欠ける団塊の世代が量産したのは、まさにニート、フリーターであり、この点について著者は「団塊の世代が定年を迎えれば、団塊世代への年金と、その子供のフリーターという、親子2世代にわたる大量の国家へのパラサイトたちによって、日本は間違いなく破綻する」(37頁)と喝破している。