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【塩爺のよく聞いてください】元財務相・塩川正十郎　歴史的事実を教訓にせよ

前向きに自信を回復し素直に考え精進しよう。

人心荒廃や環境悪化など憂慮すべき問題は多い。冷戦終結で発展途上国が自由市場に参加したことで、世界の経済環境も大きく変化した。わが国は万年デフレの悪条件で苦労している。

　この際、すべての分野で思い切った構造改革が必要である。当面のトラブルを乗り切るための姑息（こそく）な知恵では解決されない。市場原理を非難したり、格差拡大を憂いたりして前進に消極的になってはなるまい。今年こそ、血涙を絞る思いで改革に邁進（まいしん）すべき年である。

産業界は金融や行政措置だけでは救済されない。日々、前進と改革の努力の成果が生存を保証してくれるのである。

　今の経営者は業務縮小や人件費削減で当面の利益追求に走っている。企業の社会的責任感が希薄になっていないか。不況が深刻だからこそ転換すべき新しい選択を模索し開拓してほしい。