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「わたしたちが不況の原因を正確に診断できないのはなぜか」〜池尾和人・慶応大学教授に聞く(下)|辻広雅文 プリズム+one|ダイヤモンド・オンライン

今回の経済対策も、もちろんフリーランチではなく、将来世代に負担を強いることになる。しかし、そうした負担を残すことに対する「後ろめたさ」のようなものすら、いまの日本社会にはみられない。

 将来世代に負担をかけることになるという自覚がしっかりとあれば、その経済対策によって日本経済の潜在成長率を高め、将来世代にも恩恵を及ぼすことができるようになるかどうかについて、真剣に考慮するはずだ。ところが、コストについては考えないような思考枠組みに囚われてしまっているので、潜在成長率を高めることになるかなどという「長期の」問題には関心を示さず、目先の便益さえあればよいということになってしまう。

 こうした経済政策運営が続くならば、仮に現在の不況から脱却できたとしても、いま生きている者たちがみな死んでしまう将来においても生きているはずの若者や、これからこの国に生まれてくる者たちが不幸になるのは必至だというしかない。