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大前研一の「産業突然死」時代の人生論 中国―驚くべき銀行融資と家計貯蓄率の実態

 ところが中国の場合は、政府が銀行にお金を投入したら、そのお金は「野放図」ともいえるほどに市場へ流れていく。

おそらく中国人民銀行筋が「不良資産の審査などは厳しくしないよ」とささやいているからだろう。

もう一つは、中国の銀行は「倒れそうになったら政府が面倒を見てくれるだろう」と思っているのである。

 中国の2008年一般家計貯蓄率は28.8%と過去最高となった。日本はここ数年3%台を推移している。ここでわれわれは新しい情報をインプットし、旧態依然としたイメージを改める必要がありそうだ。

ちょうど昔の日本のように「将来に備えて貯蓄をしましょう」という感じだ。

米国は「クレジット社会」から急速に「貯蓄社会」へと変化している。

わたしがマッキンゼーに在籍していた時代、日銀の関係者に次のような話をした。「日本の貯蓄性向が高いというのは統計上の誤りだ」と。

1980年代に日本の家計貯蓄率は18%、米国は5%ぐらいだったが、実はこの数字ほどの差はなかったのだ。

中国の輸出は頭打ち状態であるが、製造業には回復の兆しが出ている。

中国ではこの1年で30万件の倒産、工場の閉鎖があった。とくに南の地域で多い。こういう大変な状況があるのも事実だが、そんな中にPMI上昇という明るいニュースが入ってくるのは、中国の回復は早いという感じだ。

 中国の家計貯蓄率の高さと、銀行が何の制動もなくお金をマーケットに出してしまうすごさ。これはやはり日本とは全然違う。トップダウンで末端まで資金がいきわたる。変な邪魔板(官僚)が真ん中にないからである。そして最後は政治家(といっても中国の場合にはCEO型行政官に近い)が責任をとるという。これが中国の立ち直りの早さの最大の要因といえるだろう。

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