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なぜトヨタより先に決断できたのか―日本電産社長 永守重信

世界経済に大嵐が吹いている。そのなかで経営の舵取りをしていくには、何をおいても気力の充実が必要だ。そして気力を支えるのは体力である。私は以前から、気力・体力を維持するために次のような規則正しい生活を心がけている。

そこで核心に入ろう。

実は私なりに「トヨタは赤字になる」という感触を持っていた。そのニュースに接して、当社の従業員を含め世間がどう反応するかも簡単に予測できた。

経営にはこうした「先読み」と、ときには時間をカネで買うような決断が不可欠なのだ。

「賃金カット」には、こんな条件がついている。「正社員の雇用は間違いなく保証し、今回の賃下げ分は業績回復時のボーナスで補填する」。グループ各社の労働組合はこの案を全面的に支持してくれた。従業員は経営陣と危機意識を共有する一方、最もナーバスになっている雇用問題には、逆に安心感を持つことができたのである。

堀を埋められ城壁を壊されても雇用だけは守り抜く。当社にとって「雇用は天守閣」なのである。

何があっても必ず守るものがある一方、臨機応変に対応するものもある。

「たしかに頂上は見えている。しかし嵐が来て暗雲が垂れ込めている。いま登ったら死ぬ。だから七合目まで下りて、体力を整えてからもう1回チャレンジするのが正しいと思う」

この不況は、回復までに最低でも1年はかかる。元の売り上げレベルに戻るのはおそらく2〜3年後だ。しかしそのときには、まったく違う景色が現れる。緑の山が紅葉に変わるのではなく、山だったところに海ができるような変化である。

結果、生き残った企業は、次の景気回復期にはライバル数が激減したなかで、急増する需要を引き受けることになるはずだ。

生き残るための大前提は、生産性を上げること。

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