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サッチャー時代の終焉

 最も痛手となっているのは、サッチャー主義の倫理的優位性が失われたことだ。鉄の女はかつて不吉な予言をしている。「経済政策は手段に過ぎない。目的は魂を入れ替えることだ」。言わんとしていたのは、英国民は勤勉や倹約といった伝統的な価値観を取り戻す必要があるということだ。“何もしなくても何かがもらえる”社会の幕引きだった。

 だが再確認したはずの高潔な努力と正当な報酬の関係性は、銀行を破綻に追い込みながら数百万ポンドのボーナスや巨額年金を手にしていた金融関係者によって完全に打ち壊された。国際的にも同じような問題が起きている。ロシアの民営化では新興財閥がいかがわしい方法で資産を掌握。米国では巨額の役員報酬に対する憤りが高まる。

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