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財部誠一 不毛な財源論より脱官僚こそが争点だ

 5原則はまぎれもなく自民党政治へのアンチテーゼであり、民主党の1丁目1番地は「脱官僚政治」であることが明示している。

 そこで問われるのは「なぜ官僚政治ではだめなのか」を明らかにすることだろう。

 おりしもTBSが戦後日本の奇跡的な復興の原動力となった通産官僚の姿を描いた『官僚たちの夏』(城山三郎原作)というドラマを放送している。官僚が国家、国民のために本気で奔走した時代があったことは間違いない。もちろん今でも素晴しい官僚がいないわけではないが、問題の本質は霞が関の中央集権体制それ自体が、時代遅れになってしまったところにある。

 もっとも自民党脱官僚政治への取組がなかったわけではない。

 いまや小泉政権は日本を不幸のドン底に叩き落した元凶のようにいわれがちだが、脱官僚政治の実現に初めて動いたのは小泉政権だった。わずか一年で自滅した安倍内閣は情けない限りだが、脱官僚への思いだけは明確に持っていた。だが福田内閣から脱官僚への問題意識が低下し始め、麻生内閣では振り子が逆ブレした。「脱官僚」どころか「脱官僚つぶし」に麻生内閣は走った。

表面だけをみていると、似たり寄ったり、五十歩百歩の感も否めないが、おなじバラマキでもその底流に流れている思想はまるで違う。自民党のバラマキは霞が関の官僚たちへのバラマキに終止している。最終的な予算の使い方は官僚が決める。

 対照的に民主党のバラマキは国民への直接給付だ。官僚に予算をばら撒くのではなく、国民に直接ばら撒く。同じバラマキでもはるかに筋がいい。