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大前研一 哲学がない民主党、「知恵者」はいないのか

マニフェストには「この国をどうしたいのか」という哲学を明確にし、「何が問題でどう解決するのか」を示してなければならない。

 民主党マニフェストのベースになるのは「INDEX 2009」である。彼らはそれを政策集と呼んでいるが、INDEXを辞書で引けば「索引、見出し」という意味で、要するに「思いつき集」に過ぎない。だからマニフェストに本来あるべき全体を貫く思想・哲学が感じられず、ただ思いついた政策を並べただけのものに見えてしまう。

 また思いつき集だから、過去に出していた古い政策などが散見される。本来ならそういうものを集めた段階で、だれかが体系立てたもの、系統だったものに組み立てる必要がある。しかし残念ながら、民主党の中にはそれだけの「知恵者」がいないのだろう。そのため、このマニフェストを巡って民主党は多方面から攻撃されるハメになっているのだ。

 当然、自民党も攻撃の手綱を緩めない。民主党を批判する自民党の姿を見ていると、どちらが野党でどちらが与党なのかわからなくなる。曲がりなりにも自民党は現在までほぼ一貫して政権を取ってきた政党だ。どっしりと構えて、自分たちの過去の実績や考えを総括して述べればいいのに、必死になって民主党のアラ探しをして攻撃を仕掛けている。自民党はまるで野党のようで、まことに「滑稽」である。自分たちが予算の裏付けもなく、無駄遣いとばらまきの限りを尽くしてきたことなど、すっかり忘れたかの如き、である。

以前からわたしは「農業は世界最適地でやるべきだ」と主張している。その真意は「日本の農家よ、自ら世界の最適地に行って、その技術を発揮して農場経営をやりなさい」ということだ。農家が、あるいは農業団体が自ら国外の農業最適地に出向き、納得のいく農業をすればいい。日本の農業を世界化して生活者の胃袋を守る。それが日本の農業を守るということに他ならない。残念ながら、民主党にはそこまで踏み込んだ考えはないようだ。

 政権交代が目の前にぶら下がっている民主党にとって、大事なのは「お手つき」をしないことだ。もう細かいことは言わずに、「いい国を作ろう。その決意は固い」とだけ訴えれば、政権は手に入る。

 解散時点では自民党惨敗は必至と思われたが、長期間にわたってサンドバッグのように叩かれ、その都度微妙に主張を変えてしまう民主党の姿を国民の目に晒すという戦略は、意外と功を奏するかもしれない。

国家と道州、基礎自治体では役割が違う。基礎自治体はコミュニティーを形成し、安全安心の生活圏をつくる。道州は産業や雇用創出の基盤となる。前者が生活基盤、後者が産業基盤を受け持つ。そして、国家は防衛など国単位でなければできないことを担う。

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