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改革の本丸は国会にあり(1)

最初の重要課題は来年度予算の編成である。通常なら夏から始める作業だが、組閣が9月中旬だったために短い時間でやらざるを得ない。

予算を決めるのも、外交交渉を行うのも、政治が初めから本音を出す事はありえない。反対する相手がある中で目標に到達するためには目標と異なる所から始めないと到達できない。周囲に解決は難しいと思わせ、ハラハラドキドキさせながら最後に周囲を納得させる。古今東西それが政治というものである。

自民党斉藤次郎元大蔵省事務次官の社長就任を「天下り」と批判するのは、かつて自民党によって排除された大物官僚の復権を認めたくないからである。

 「天下り」が問題なのはそれに伴って国民の税金が無駄に使われている実態があるからである。有為な人材を有効に働かせる事に問題がある訳ではない。

官僚主導の国家では国会が官僚の手のひらに乗せられているのである。何故そうなるか。法律を作るのが官僚だからである。

 国会の委員会は役所に見合う形に作られている。財務省には財務委員会、外務省には外務委員会という具合である。役所から見ると委員会は自分が作った法案を成立させるためのいわば出先機関である。

官僚は自分たちに都合の良いように法案を書き、それを誰にも分からないような表現で作文する

 行政府の内部の話を国会で説明させる必要があれば、官僚を証人か参考人として国会に喚問するのが普通である。その際の「証言」を間違っても「答弁」とは言わない。

『日本国憲法を考える』
P188