株式市況の低迷の影響などで、ネット証券の経営環境は厳しさを増しており、両社は統合による規模拡大や経営効率化で生き残りを目指す。
UPDATE1: マネックスとオリックスがネット証券統合、オリックスは筆頭株主に
オンライン証券をめぐっては、成長の鈍化や手数料の値下げなどで競争が激化する一方、システム投資がかさむ構図は変わらず、両社は規模の拡大で顧客基盤を固めることが賢明と判断した。
これによりオリックス証券はマネックスグループの完全子会社になるとともに、オリックスはマネックスグループの22.5%を保有する筆頭株主になる見込み。マネックスグループはオリックスの持分法適用会社となる。
ネット証券は99年の株式売買委託手数料の自由化を機に急成長したが、06年1月の「ライブドア・ショック」以降、売買が低迷している。手数料の値下げによる顧客獲得競争も激しさを増している。
このため最近では、SBI証券が対面販売の強化に乗り出すなど、各社ともに収益源の拡大を模索。オリックス証券が中堅証券会社のネット部門を相次いで買収、証券最大手の野村証券がネット専業の子会社を吸収合併するなど再編、集約に向けた動きも進んでいた。証券業界では、今後も大手ネット証券の再編が続くとの見方も多い。
マネックスとオリックスがネット証券統合、オリックスの手数料は維持
マネックスグループの松本大社長は、統合に関連し、現在マネックスより低いオリックスの手数料体系について、環境に応じて微調整する可能性はあるが、「統合後もオリックス証券の手数料は当面変更しない方針」と述べた。
松本社長はオリックスとは「コラボレーション(協業)できる領域は多い。積極的に応援してもらえるよう協議を進める」と述べた。