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学校と私:物事の原理を考える面白さ=ノーベル物理学賞受賞者・小林誠さん

 高校時代に、アインシュタインなどが書いた「物理学はいかに創(つく)られたか」という本を読み、物事の原理を考えるのが面白いと感じて、物理に強く興味を持ちました。

 名古屋大では、物事の一番基本を追究したいと思い、自然に素粒子物理学に進みました。大学も大学院もとても自由で、講義に追われず自分で勉強ができました。本を何冊も同時に読み、独りで考えるやり方でした。

 今の受験体制は気になります。概念や学問体系の理解より、問題をどう解くかにエネルギーを集中しています。(高校で習う範囲など)限られた知識で難問に苦労するより、基礎的な理解のままでよいから先を学ぶ方がよいでしょう。学校で習う知識は大切で、科学のイベントで会う子供たちにもそう話すのですが。

 自然科学の問題追究にはさまざまな方法があり、どの方法でよい結果が出るかはやってみるまで分かりません。私はノーベル賞を頂きましたが、それは結果に過ぎません。賞を取る道などなく、科学者のすそ野を広げて同レベルの知識や能力を持つ多くの人が多様な方法で研究を進めることで、初めて成果につながると分かってほしいですね。

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