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日米同盟"深化"への模索が始まった ── 普天間移転は見直しが当然

そのあたりのニュアンスは、東京各紙よりも『琉球新報』11月14日付の「現行案変更に柔軟、日米首脳会談」と題した次の東京発の記事が上手に伝えていた。


鳩山由紀夫首相は13日、初来日したオバマ米大統領と官邸で約1時間半、会談した。米軍普天間飛行場移設を含む米軍再編合意について、大統領は『政権が代わって見直しすることは率直に支持する。(見直しに伴い、米軍再編合意の)ロードマップ(行程表)の修正が必要になることもあり得る。ただ基本は守るべきだ』と述べ、現行案の変更に柔軟な姿勢を示した。今後は、来週はじめに始まる閣僚級の作業グループを通じて早期に結論を出していく方向で一致した」


鳩山首相は、会談後の共同記者会見で『作業グループを設置し、できるだけ早い時期に解決すると言ってきており、わたしの決意を申し上げた』と普天間移設の早期解決に向けた意思を表明。日米合意も重く受け止めているとしながら『選挙で(移設先を)県外、国外とも言ってきた。県民の期待感は強まっている』と説明。だが、会談で大統領に直接、県外への移設は求めなかった」


オバマ大統領も『作業グループで日米合意について協議する。作業は迅速に終わらせたい。目標は同じだ』と語った。基地を抱える地域住民への影響を最小限にすることにも言及した」


 オバマも、何が何でも合意の遂行が前提などとは言っていない。政治家同士の日米同盟"深化"のための対話が静かに始まったことに注目すべきである。

守旧的な外務官僚の手先となり下がって「米国に逆らったら大変なことになる」というようなことばかり叫んでいるマスコミは、拍子抜けしたと言うか、起きたことの意味が分からずに、ほとんど沈黙を守っている。

 これに対する米国の対日政策マフィア、自民党、官僚、マスコミなど旧体制側の反応は一致していて、まず第1に、そんなことをを言い出しても米国が相手にする訳がない、第2に、仮に米国が応じて米軍が撤退していけば、その分だけ日本の自主防衛力を強化しなければならず、そんなことは不可能だ、というものだった。

 鳩山政権の安保についての発想の淵源がそのあたりにあることを知っておく必要がある。

 これは、簡単に言って、在沖海兵隊の主力師団の沖縄からの「撤退」である。日本の外務・防衛官僚は、米軍が冷戦後の戦略環境変化や米国の財政事情によって在日兵力を削減・撤退させようとするのをなぜか極度に恐れていて、これが「一部海兵隊のグアム移転」であるかのように印象づけようとし、マスコミもそれに調子を合わせてきたので、国民も県民も今ひとつ何が起きようとしているか理解していないかもしれないが、これは海兵隊主力の撤退である。

 さらに今後は、在韓米軍を撤退させて平時には他の地域に転用し、有事の際には来援して韓国軍を支援するという、まさに「常時駐留なき安保」に発展させていく構想が浮上しており、19日の李明博オバマ会談ではこれを来年秋までにまとめることが合意される見通しである。この構想は「米韓同盟未来ビジョン」と呼ばれているが、このような安保の将来ビジョンも何もなしに「米国を怒らせたら大変」とオロオロしてばかりいた日本と比べると、韓国の方が余程「対米対等外交」を実現している。