「人間はなんのために生きちょるか知っちょるか? 事をなすためじゃ」
冒頭のことばの出典は「世に生理(しょうり)を得るは事を成すに在り」と記された『英将秘訣(ひけつ)』であろう。この書は「1867年、坂本龍馬作」と後世に伝えられた。しかし、それを全面否定する資料もないかわりに積極的に肯定する資料もない。
「たれかが灯を消さずに点(とも)しつづけてゆく、そういう仕事をするのが、不滅の人間ということになる」。
このことばは、『英将秘訣』にもない。しかし、竜馬の一生を考えたとき、そう言ったとして何の不思議もない。