「教師がしてあげられることは、注意力を喚起すること、これ一つだけですね」(斎藤秀雄)
「人間が発達してゆくには、生まれつきの肉体的、頭脳的な素質と、それをのばす努力、それから勉強するときの注意力、この三つを掛算(かけざん)でやって、そこから一つの答えがでてくるわけです」
「才能のない人間にはどうしても手をかけてやらなければならない。本人が持っているものを限界に近いところまで伸ばしてやる。それが教育というものだと思う。そしてまた、教える側にも、その間にこそ、音楽のむずかしさやおもしろさがみえてくる。つまり、教えることによって多くを学ぶことになるのだ」