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「極秘に」と外務省通告 沖縄密約、元大蔵省担当者証言

 沖縄返還の際、米側が支払うはずの土地の原状回復費400万ドルを日本がひそかに負担したとされる問題で、当時、大蔵省でこの問題にかかわった森田一氏(75)が、朝日新聞の取材に、秘密裏に負担するとの連絡を外務省から受け、了承したと語った。額の積算にもかかわったという。

 森田氏はのちに衆院議員となり、運輸相を務めた。沖縄返還前の1970〜71年当時は、旧大蔵省法規課の課長補佐として、日本側の費用負担について外務省条約局の幹部と7、8回にわたって協議に当たり、支出の適法性などを検討していた。法規課は予算案が法律に照らして問題ないかチェックする部署だ。

 協議の中で大蔵側は、日本側ばかりが負担するのではなく、軍用地などを地主に返還するための原状回復費は米側に支出させるよう提言した。


 額の見積もりは森田氏が担当。沖縄を訪問して調査し、三百数十万ドルと報告した。両省の協議で、最終的に400万ドルとなった。


 外務省は当初から米側に負担を求めることには難色を示しており、「米側に要求はしたものの、米議会を通過させるのは難しい」と回答してきた。結局、米国資産の引き取りや核兵器の撤去などのために日本が米国に支払うことになった3億2千万ドルの中に原状回復費を含める形で、実質的に日本が負担することになった、と外務省幹部から電話などで連絡を受けた。


 そのうえで同幹部は、上の了解を得て極秘にするので大蔵省も日本側が負担することについて了承してほしい、という趣旨の話をした。森田氏は外相も了解していると考え、「極秘ならいいんじゃないですか」と答えた――という。

 吉野氏は今月、関連文書の開示をめぐる裁判での証言で、返還協定に定められた日本側負担3億2千万ドルは、積算根拠のない「つかみ金だった」と述べている。これについて森田氏「そういう感じだった。返還に関しての支出は、ほかの予算のように積算することは無理だと理解していた」と語った。