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【次代への名言】子、曰わく編（２）

　たとえばその家系。中国史の第一人者だった貝塚茂樹は、孔子の父は侍大将にまで昇格した、新興武士階級の剛の者−と解説した。一方、『字訓』で著名な中国古代文学者、白川静は「孔子は巫女の子であった。父の名も知られぬ庶生子だった」とする説を打ち出している。


　２人の巨星は、孔子伝の祖・司馬遷の「孔子世家」（『史記』）への評価でも対照的だ。「読者の胸をうつ、出色の出来栄え」とする貝塚に対し、白川の評は「『史記』のうちで最も杜撰（ずさん）」である。