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普天間政局を冷静に眺めたい

野党暮らしが長かった鳩山首相は、交渉、説得、調整の連続である国家経営の難しさを身にしみて今、感じているに違いない。

黄門気取りのご老体に、性懲りもなくメディア各社がご意見拝聴に走ったようだ。

5月24日の当ブログで「沖縄県外、国外、諦めるのはまだ早い」と書いた。その後、日米共同声明で「辺野古」が明記されたが、予定通りであり筆者の考え方は変わらない。


辺野古崎に新基地がすんなり建設できるという甘い見通しを米国は持っていないと思うからである。


これからは「反米感情」「反基地運動」をにらみながら、状況は流動的に推移するだろう。

米国が日本に対し最も恐れるのは「反米感情」の高まりである。

実際、米国が「普天間返還」を思いついたきっかけは、1995年、海兵隊員による少女暴行事件で沖縄に火がついた「反米感情」だった。

これを危機と感じ取ったクリントン政権は一計を案じた。この危機を乗り越え、かつ利用する手はないか。


妙案が浮かんだ。住宅地の真ん中にあり老朽化した普天間基地を返して、もっと使いやすく近代的な新基地を日本につくらせればいい。

橋本はすでに米国の掌中にあったことがよくわかる。沖縄に何度も足を運び、気脈の通じた大田知事とよく話し合ったのは間違いないが、橋本の「普天間返還」獲得を鳩山首相と対比するための武勇伝にしてしまっては、米国という相手を見誤るだろう。

それでもあえて、日米両政府が共同声明に「辺野古崎」を盛り込んだのは、何度も書くが、米軍再編の中核となるグアム移転予算案の米議会通過をはかるためにその文言が必要だからである。

橋本龍太郎元首相の勲章とされる普天間返還は、いつの間にか「新基地建設」にすり替わって沖縄住民を苦しめ続けている。

主権者であるわれわれ国民は、メディアの煽る感情論や、垂れ流される意図的官製情報に心乱すことなく、国家経営の監督者の視点で、冷静にプレーヤーたちの動きや配置を見ていく必要がある。

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