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〔アングル〕根強い雇用の過剰感、生産鈍化で回復遅れるリスクも

 総務省が30日に発表した労働力調査によると、6月の完全失業率(季節調整値)は5.3%となり、前月よりも0.1ポイント上昇。4カ月連続の悪化となった。

失業率を年齢階級別にみると、15─24歳の若い世代の失業率が11.1%に上昇し、過去最高の水準を更新している。

 ただ、「勤め先都合」が前年比20万人減と3カ月連続で減少し、5月(7万人減)から減少幅が拡大する一方、自己都合は前年比8万人増と5月(1万人増)から増加幅が拡大。エコノミストからは「労働需給の改善を受けて、条件の良い職を探す人が増えていることが、失業率の上昇につながっていることを示唆しており、雇用の改善ペースは予想以上に緩慢だが、雇用情勢の改善が止まったわけではない」(BNPパリバ証券・エコノミストの加藤あずさ氏)との評価も複数出ている。就業者(季節調整値)が前月比4万人増と5カ月ぶりに増加するなど、雇用情勢については「失業率でみるほど悪くなってはいない」(ニッセイ基礎研究所・主任研究員の斎藤太郎氏)との見方が示されている。

 悪化を続ける完全失業率に反し、有効求人倍率景気ウォッチャー調査の雇用関連DIなどマインドを示す指標は改善し、改善と悪化が混在している。

 雇用情勢は今後も緩やかな改善が続くとみられている。ただ、30日に発表された鉱工業生産の回復鈍化を受けて「就業人口の回復がさらに遅れるリスクに注意したい」(クレディ・スイス証券)との声も浮上してきた。