https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

〔円15年ぶり高値〕市場は為替介入より追加金融緩和を予想、時間かかれば一段の株安も

 前日から世界中で景気減速の広がりを示すニュースが相次いでいる。米FOMC景気認識の下方修正に加え、1)日本の機械受注が予想を大幅に下回った、2)中国で固定資産投資や新規融資額、これまで堅調だった小売売上高も予想を下回った、3)英中銀が四半期インフレ報告で成長率予想を大幅に引き下げた、4)6月米貿易赤字が予想を上回り、第2・四半期GDPが下方修正となる可能性が高まったこと――などだ。

 ドル安/円高が進んでいるが、ピッチが遅くその分反転へのエネルギーがたまりにくい。ドルは、いったんは80円を割れないと達成感が出ないのではないか。

 米株は調整があってもおかしくなかった。7月から8月初旬にかけての上昇が顕著だったためだ。当時から米指標は弱含みだったが、米企業決算が強かったこと、欧州のストレステストで財政問題への懸念が後退したことで、センチメントが改善して調整が表面化するのを打ち消していた。それが一巡した現在は、米景気の弱さだけが残り、そのタイミングでFRBが景気認識を後退させたということだろう。

 日本の円売り介入の可能性は低いと考えている。G7が一貫して中国による為替操作を批判する中、その一員である日本が介入を実施するのは困難なことに加え、欧米経済が低迷する中では、米国もユーロ圏も通貨安志向を強めているため、ドルやユーロに対する円売り介入の合意を取りつけることが以前に比べて難しくなっている可能性もある。日本が外為特会にすでに巨額の含み損を抱えていることも、一段の為替リスクを取ることに当局が躊躇(ちゅうちょ)する十分な根拠になる。

 日銀が追加金融緩和に踏みきる可能性は排除できない。しかし、日米の短期金利差がほとんどゼロに近い状況では、緩和が円相場に与える影響は限定的だ。過去に日本が量的緩和当座預金を積み上げた際もドル/円は下げ止まらなかった。