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【単刀直言】田中秀征元経企庁長官「自民は老朽住宅、民主は仮設住宅」

　菅さんは、自民党と小沢さんの不人気に便乗して続投したと言えるだろう。一つは自民党政権に戻したくない。二つ目は小沢さんを復権させたくない。三つ目は首相がコロコロ変わるのは好ましくない。そんな世論に巧みに便乗している。


　だが、このような消極的な支持では政権を担当するだけの求心力は生まれない。小沢さんがいなくなれば菅内閣はすぐにつぶれてしまうだろうな。

　菅さん自身が本気で「こういう世の中を作りたい」っていうものが感じられない。彼を４０年近く見てきて、実はそういう話を聞いたことがない。

彼は霞が関を倒す奇兵隊内閣などと言ったが、財務省に取り込まれて今や霞が関幕府を守る新撰組になってしまった。

　政治主導だと言い訳しているけど今までの自民党の首相だってそう言ってきたんだ。

　増税への国民の理解は深まっているけれど、景気を本格軌道に乗せ、ムダを削ってからのことだ。そういう世論の底流を中途半端に解釈するから消費税発言が出るんだ。そんな判断力で政権運営するならば、国民に被害が及ぶ。

　今回の民主党代表選で小沢さんの評価は変わった。「後ろで糸を引いてる」という評価だったけれど立候補して覚悟を示した。小沢さんは円高・株安対策、普天間問題、予算編成の３点で菅さんに正攻法で政策転換を迫ればいい。そうすれば民主党政権が生まれ変わる余地はある。受け入れられなければ、政策抗争が権力抗争に変わり、結果として分裂・再編含みの展開になるかもしれない。

　二大政党制と言っても自民党は老朽住宅、民主党は仮設住宅だ。どっちも永住する気になれない。仮設住宅は暴風雨に耐えられそうにない。

　ダメだと分かった政権を続ける必要はない。日本の政治はできるだけ早く歴史のページをめくって本格的な政権政党をつくる作業に入った方がいいね。