https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

尖閣ビデオ流出と職業政治家の「死」

総理大臣という職の本質はつきつめれば決断です。政治的な決定には、様々な価値の利害や対立を含まないほとんどありません。そして、総理にはその中でも最も判断が難しいものだけが上がってくるのです。政府の課題についての案件が総理にあがってくるまでには、政府内の無数のプロセスがあります。省庁間で意見が異なる案件については、各省の係長同士の交渉でケリがつかなければ課長補佐同士、それでケリがつかなければ局長同士、それでケリがつかなければ次官同士、そうでなければ大臣同士というふうにカウンターパートのレベルが上がっていきます。そして、多くの案件は最も難しい、国民にとって影響が大きい政策が最終的に総理の決断案件となってきます。

だからこそ、総理を務める人間にはそうした決断に耐えうるだけの歴史感覚や見識、そして胆力が求められるわけです。

総理大臣の仕事のほとんどは、「大方針を示し、決めること。そして個々の決定の積み重ねのなかで、国家を何らかの方向に導くこと。」であることに尽きることがわかると思います。