長周期地震動が注目されたのは2003年の十勝沖地震。築10年以上の高層ビルでは対策を講じていない建物も多く、対策を検討していた矢先の発生だった。
建物には共振で揺れを増幅する固有周期があり、高いビルほどゆっくりとした長周期の揺れに弱い。
長周期地震動は石油タンクにも大きな被害をもたらす。内部の油が波打つ「スロッシング」現象を誘発し、火災の危険がある。
都心部の地盤には揺れを増幅しやすい特性がある。地震波は硬い地盤から軟らかい地盤に入ると、地震波の伝わる速度が遅くなり、逆に揺れは大きくなる。
関東地域をはじめ、中部地域や阪神地域の平野部は堆積層で地盤が軟らかく、揺れが強くなりやすい。