政治の惨状に悄然(しょうぜん)とうなだれる国民を尻目に、2人はひたすら元気に角突き合いを続けている。
「首相を支えるべき官房副長官が早期の退陣を迫り、新しい政治の枠組みに向けて奔走するなんて不思議な光景だ…」
首相経験者の一人はこうあきれて苦笑する。
確かに、退陣を口にしながら、延命を模索する菅首相はみっともない。だが、首相に引導を渡した返す刀で鳩山由紀夫前首相、民主党の小沢一郎元代表も含めた「トロイカ」3人に一線を退くよう求めた仙谷氏も「共同正犯」(西岡武夫参院議長)であるのは間違いない。