5月26日に発足した「復興再生議連」も、仙谷氏が菅首相を切って連立政権を目指す別動隊だ。議連には民主党、自民党、公明党から約90人が参加。世話人は民主党の古川元久元官房副長官と自民党の鴨下一郎元環境相だが、古川氏は仙谷氏の忠実な部下。そして鴨下氏のバックには石破茂政調会長が控えている。
つまり、この議連は、「反小沢」「反菅」「世代交代」で一致し、政策的にも近い仙谷・石破ラインが仕掛けている連立のベースなのである。
「菅を降ろした後の連立は、超党派の動きが3つある。1つは民主党と自民党の長老組。2つめは民主党の松野頼久元官房副長官と、自民党の菅義偉元総務相らの『民自連』。そして3つめが、この『復興再生議連』。だが、『復興−』には自民党の大島理森副総裁や石原伸晃幹事長、民主側は枝野官房長官や岡田克也幹事長らもかかわり始めているから、今後の連立の具体的な中身を詰めていくのはここが中心になっていくだろう。当然、そのナンバーワンは仙谷さんということになる」(自民党幹部)
また、菅首相がいったん退陣をにおわせた後に居座りを示唆し始めたことに対しても、仙谷氏は枝野、岡田両氏や、安住淳国対委員長らに指示して、「そう遠くない時期」と発言させ包囲網を作った。
仙谷氏に近い議員は「枝野さんが世論調査の人気も高いし、本命と考えている。仙谷さんが本当に首相にしたいのは前原(誠司元外相)さんだが、次の首相は限定の連立政権で政局も不安定なので、前原氏を温存しようと考えている。次の首相はワンポイントで、副総理には水面下で接してきた石破さんあたりを考えているようだ」と解説する。