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古代ギリシャからの警鐘

 現代ギリシャが放漫財政から国家的危機に陥り、欧州連合(EU)や世界経済に影を落としているのは、アポロン神殿に刻まれた「万事、度を超すなかれ」という古代の金言を忘れ、自制心を失ったためだ。

 ユーロ圏への加入には、財政赤字比率などの経済基準をクリアする必要がある。ギリシャは基準を達成できず、第1陣に乗り遅れた。2年遅れて加盟したが、EUの政治判断という面が色濃かった。「ずぼらで自己中心的なギリシャを入れたら、規律が乱れ、危機に直面する」との反対論は当初から根強かった。だが、リスクが大きいとはいえ、西洋文明の礎を築いた偉大な国を見放すわけにはいかなかったのである。

 弱小国を見捨てずに救済するところにこそ、欧州統合の意義はあるのだ。経済繁栄よりも「戦争か平和か」という歴史認識が統合の要になっている。そのために互いに自制し、分かち合う精神を尊重する。そうした共生の土台となるのが自足の心である。

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