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日米株価失速“緩和マネー”頼み露呈 FRBの肩すかしに失望

実体経済や企業業績よりも、結局は“緩和マネー”頼みという株価の足腰の弱さが露呈した。

 上昇の最大の原動力は、FRBによるQE3への期待感だ。1月に開かれた金融政策を決定する米連邦公開市場委員会(FOMC)で、数人の委員が「間もなく追加緩和が必要になる」と発言。バーナンキ議長も先月の講演などで、「労働市場は正常にほど遠く、改善には緩和の継続が必要」「あらゆる選択肢を排除しない」と言及し、観測をあおりまくった。


 大量のドル紙幣を増刷して市場にばらまき、あふれたマネーを株式市場に流し込む量的緩和の株価押し上げ効果は絶大だ。

 ところが、今月3日に公表された3月のFOMCの議事録で、追加緩和を主張する意見が縮小していたことが判明。市場は「QE3が遠のいた」と、一挙に失望に覆われ、2日の高値から計200ドルも下げた。

 もっとも、QE3の芽が完全に消えたわけではない。米国経済のエンジンである個人消費の動向を大きく左右する雇用は改善傾向を示しているが、もう一つの住宅価格は低迷が続く。1〜3月期の企業業績も頭打ちの兆しが出ている。米景気は本格回復に向けた「長い道のり」(バーナンキ議長)の途上にある。


 株価は景気や企業業績を映す鏡だが、その先行きに自信が持てないなか、金融緩和観測に右往左往し、株価の振幅が大きくなる状況が続きそうだ。