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『経済学の考え方』
P8

 経済学の研究に従事する個々の経済学者が、各人の個別的な生活体験、その思想的な背景、階級的な位置づけから自由な立場にたって、「客観的」な分析を押し進めることが可能であろうか。マックス・ウェーバーによって提起された、この没価値性の問題は、現在もなお経済学の研究にさいして、どうしても通り抜けことのできない設問であって、まず超えなければならない関門であるといってよい。


『ケインズ』
P60

 この知性とうらはらの関係にあったエリート意識が、かれの階級観を形づくったひとつの要因であった。

P61

 このような考え方をビジネス・デモクラシーというが、ケインズもこのような考え方にわざわいされていた。

政府が指導し計画する経済を理想としたケインズの経済像は、こうしたかれの人間観と無関係ではないのである。

『資本論の世界』
P49

スミスはマルクスと同じようにもともと単なる経済学者ではない。法学者でもあり、歴史学者でもありまして、法律や政治の制度と経済がどうからみ合いながら発展したのかを生涯の研究のテーマとした人であります。そしてまた、こういう発想からも解りますように、資本主義(という言葉は使っておりませんが)を決して昔からある制度だとは考えなかった。それどころか、資本主義は西欧の僅か一部に発展しているだけで、世界全体からみるとほとんど例外的なものだといっております。そこで、彼は所有も階級も国家もない、そういう未開の状態から、資本主義がどういうふうに起ってきたか、それは人類にどういう意味をもっているのかを研究したわけであります。
 そういうふうに、資本主義を歴史の流れの中でとらえまして、しかも法と経済の双方に眼を配りながら人間を研究する。そして私的所有の下で展開する尨大な社会的生産力を「価値法則」で説明しておりますので、ある意味でマルクスと土俵が非常に近い。土俵が近いだけにそのとらえ方のちがいもハッキリしている。

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法学講義 (岩波文庫)

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道徳感情論〈上〉 (岩波文庫)

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道徳感情論〈下〉 (岩波文庫 白 105-7)

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