■ - d1021の日記

読書の名に値する読書は、本の内容の咀嚼・消化に没頭しつつも批判精神を全開にし、著者との対話を通して自らを問い直す営みです。静かに座して書を読むのは、「座学」などと呼んで軽視すべきものであるどころか、すぐれてアクティブな行為です。漫然たる受け身の姿勢でできる事ではありません。

書を読む事が人文学の基本である事は、昔も今も変わりません。むやみやたらと頭に知識を詰め込んでも学問体系に到らない事、リアルな問題に取り組む実践的姿勢が学問を外へ開かれたものにする事、そりゃ、その通りです。それでも、人文学の基本的な営みは読書です。恐らく人文学に限らぬ事でしょう。