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ボリショイ・バレエ団:深い闇 監督に硫酸、内部抗争…

 フィーリン氏は事件後のインタビューで「誰に襲われたのか察しはつく。犯行は私を職から遠ざけ、ボリショイを傷つける狙いだ」と関係者の関与を示唆。地元メディアなどによると、疑いの目を向けられているのはバレエ団トップダンサーのニコライ・チスカリーゼ氏(39)だ。フィーリン氏と監督の座を争い、運営方針でも対立が伝えられていた。チスカリーゼ氏は「事件を口実にして、自分を排除しようとしている」と反論。フィーリン氏がバレエ団の若返りを試みていたことから、配役をめぐる怨恨(えんこん)説も根強い。

 一方で、なかなか容疑者が逮捕されないことから、他のトラブルが原因とする臆測が後を絶たない。1月下旬には何者かがインターネット交流サイト「フェイスブック」のフィーリン氏のページに侵入し「ボリショイが一般向けの切符販売を制限し、ダフ屋に横流ししている」と書き込んだ。同氏は疑惑への関与を否定したが、近年はボリショイの切符入手が難しくなっていることから、謎の書き込みは劇場に対する不信感をあおる形になった。バレエ界では「女性問題をめぐるトラブルなのだが、あまりにも格好が悪いので内部紛争を装っている」とのうわさも流れている。

 創立237年のボリショイはロシア国内で「特別な劇場」といわれるが、ここ数年はゴタゴタが目立つ。11年秋に本館の修復工事を終えたが、総工費が当初見積もりを50億ルーブル(約150億円)以上も上回り、資金流用の疑惑が取りざたされた。同年の監督交代の際には、有力候補が同性愛者と疑われるような写真をインターネット上に流され、辞退に追い込まれる“事件”が起きた。