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トランプ大統領の側近だった元顧問弁護士、マイケル・コーエン氏は、27日、議会下院の監視・政府改革委員会の公聴会に出席しました。

このなかで、コーエン氏はいわゆる「ロシア疑惑」をめぐり、ロシア政府がサイバー攻撃で入手したものとされる民主党クリントン陣営のメールを「ウィキリークス」が公開することを大統領は事前に把握していたと証言しました。

証言によりますと、2016年7月、トランプ大統領ロシア疑惑の捜査で起訴されたトランプ陣営の政治コンサルタントだったストーン被告から電話を受け、「ウィキリークスが数日以内にクリントン陣営に打撃となる大量のメールを公開する」と報告を受けたということです。

この報告に対し、トランプ大統領「すばらしいじゃないか」と発言したということです。

また、2016年6月に、トランプ大統領の長男のジュニア氏ら陣営の幹部とロシア人弁護士の間で行われた面会の直前に、ジュニア氏が「面会の準備が整った」と大統領に報告する様子を目撃したと証言しました。

トランプ大統領はこれまで、ウィキリークスによるメールの公開や、ロシア人弁護士との面会について事前に把握していなかったと主張していました。

ロシア疑惑をめぐる捜査が大詰めを迎えるなか、疑惑解明のカギを握るともされるコーエン氏の証言を受け、大統領の関与を疑う声が強まることは避けられない情勢です。

コーエン氏は、自身の主張を裏付ける証拠として、公聴会が行われた議会下院の監視・政府改革委員会に複数の資料を提出し、モニターにも大きく映し出されました。

提出された資料の中で特に注目が集まったのが、トランプ氏がかつて不倫関係にあったとされる女性への口止め料として、大統領選挙の直前の2016年10月にコーエン氏がおよそ13万ドル(日本円で1400万円余り)を相手女性の代理人に振り込んだことを示す銀行口座の取り引き記録です。

さらにコーエン氏が立て替えた口止め料を支払うために、大統領就任後のおととし3月、コーエン氏に宛てたトランプ大統領の署名入りの小切手の写しも提出されました。

この女性は、トランプ氏から関係を迫られた際の経緯を記した暴露本を去年10月に出版しましたが、トランプ大統領は、一貫して女性との関係を否定し、口止め料の支払いについても「知らない」と説明しています。このため今回提出された記録が事実であれば、大統領がうそをついていたことを示す重要な証拠となります。

このほかコーエン氏は、トランプ大統領が自身の出身大学宛てにコーエン氏に命じて書かせた、在学時の成績などを許可なく公表しないよう求める文書や、トランプ氏がオークションに出品された自身の肖像画を第三者に依頼して6万ドル(日本円で600万円余り)で落札させたことを示唆する資料も提出され、コーエン氏は、肖像画はその後、トランプ氏の慈善財団が買い戻していたと証言しました。

コーエン氏は、議会下院の監視・政府改革委員会で行われた公聴会のあと、記者団に対し、「真実を証言するための機会をいただけたことを謙虚に感謝したい。私の証言がアメリカを健全にする一助になることを願っている」と述べみずから行った証言が真実に基づいたものであると改めて強調しました。

公聴会が行われた議会下院、監視・政府改革委員会のカミングス委員長は記者団に対し、「コーエン氏は、公聴会で真実を語ったと考えている。きょうはとても重要な日で、200年後にアメリカの歴史を振り返ったときに、この公聴会が言及されることになるだろう」と述べました。

また、記者から「トランプ氏が大統領就任後に法を犯したと考えているのか」という質問に対し、カミングス委員長は、「コーエン氏の証言を聞くかぎりはどうもそのようだ。コーエン氏は大統領に犯罪を犯すよう指示され、その罪を認めている」と述べました。

そのうえで、カミングス委員長は「公聴会の議事録を精査し、今後の対応を考えたい」と述べトランプ大統領が就任後に犯罪に関与した疑いもあると見て今後、さらなる公聴会の開催など、委員会としての対応を検討する考えを示しました。

マイケル・コーエン氏は、10年余りにわたってトランプ大統領の顧問弁護士をつとめました。トランプ氏のビジネスや家族の事情に精通し、「トランプ氏のためなら銃弾も受ける」と発言するなどトランプ大統領の長年の腹心とされてきました。

コーエン氏は去年4月、みずからのビジネスをめぐってFBI連邦捜査局の捜索を受け、当初は捜査への協力を拒んでいましたが、8月に司法取引に応じ2016年の大統領選挙での選挙資金をめぐる違反などの罪を認めました。

裁判でコーエン氏は、大統領選挙でかつてトランプ大統領と不倫関係にあったポルノ女優らに不正に口止め料を支払ったことを認め、さらに、不正行為はトランプ大統領からの指示だったと証言しました。

これに対し、トランプ大統領は「法を犯せと指示したことはなく、自分の刑期を短くするためにうそをついている」として、みずからは法律に違反するような行為は行っていないと主張しています。

コーエン氏は公聴会に先立ち、26日、記者団に対し、「アメリカ国民に対し、私の声を届けることができることを楽しみにしている。アメリカ国民に、誰が真実を話しているのか決めてもらう」と述べました。

コーエン氏は、いわゆる「ロシア疑惑」でも、トランプ氏の会社が当時、手がけていたモスクワでの不動産事業について議会に虚偽の証言をしたことを認めるなど、疑惑解明のカギを握る人物の1人とされていて、コーエン氏が初めて公の場で証言する今回の公聴会は、アメリカで極めて高い関心を集めています。

米朝首脳会談のためベトナムハノイを訪問しているアメリカのトランプ大統領は27日、議会下院の監視・政府改革委員会の公聴会に先立ち、ツイッター「マイケル・コーエン氏は、うそをついたことで弁護士の資格を剥奪されている。うその証言をすることで刑期を短くしようとしている」と書き込み、コーエン氏の証言は信用できないという主張を改めて強調しました。

コーエン氏の公聴会が行われた議会下院には大勢のメディアが詰めかけ、公聴会の様子は全米に一斉に生中継されました。

また、公聴会を傍聴しようとおよそ20席の一般の傍聴席に対して、朝早くから数百人が並び、関心の高さをうかがわせました。

東部メリーランド州から来たという71歳の男性は「混とんとしたホワイトハウスでいったい何が起きているのか、真実を知りたい」と話していました。

トランプ大統領の側近だった元顧問弁護士、マイケル・コーエン氏は27日、議会下院の監視・政府改革委員会の公聴会に出席し、途中、休憩を挟んで7時間余りにわたって証言し、その様子は全米にテレビ中継されました。

この中でコーエン氏は、2016年の大統領選挙中に選挙資金に関する法律に違反して大統領とかつて不倫関係にあった女性に口止め料を支払ったあと、トランプ大統領から分割払いで補填(ほてん)を受けたと証言しました。

そのうえでコーエン氏は、トランプ大統領が署名した口止め料のための小切手の写しを提出し、違法行為にトランプ大統領みずからが関与していたと明らかにしました。

これまでトランプ大統領は、一貫して口止め料の支払いについても「知らない」と説明していました。

公聴会を実施した監視・政府改革委員会の野党・民主党のカミングス委員長は記者団に対し、「コーエン氏は大統領に犯罪を犯すよう指示され、その罪を認めている」と述べ、トランプ大統領が犯罪に関与した疑いがあるとの認識を示したうえで、今後、さらなる公聴会の開催など、大統領への追及を強める考えを強調しました。

一方、トランプ大統領ベトナムハノイで開かれた米朝首脳会談の後の記者会見で、自身も公聴会をテレビで見たことを明らかにしたうえで、「大事な首脳会談の最中に偽の公聴会を行うのは本当にひどいことだ。彼は多くのうそをついた。非常に恥ずべきことだ」と述べ、コーエン氏がうそをついていると改めて主張しました。

そして「実際には共謀などなく、これは魔女狩りだ」と述べ、ロシアとの共謀を重ねて否定しました。