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バチカン:コンクラーベ 米国の枢機卿団が存在感増す

 コンクラーベ参加の枢機卿115人のうち米国人は11人で、28人のイタリア勢に比べ少数派だ。だが、米国枢機卿団コンクラーベ準備の枢機卿会議で独自に記者会見を開いてスキャンダルで揺れるバチカンが透明性を高める必要性を訴えた。


 ドーラン・ニューヨーク大司教(63)は8日のブログで「枢機卿会議の議論の多くは福音伝道に関することで、バチカンの腐敗や性的虐待、資金問題も話題には上ったものの、中心議題にはならなかった」と不満げに内幕を明かした。


 コンクラーベ開始にあたりドーラン大司教とオマリー・ボストン大司教(68)が後継法王候補に急浮上した。ボストン大司教区のメディア担当者、スコット・ランドリー氏は「2カ月前には米国人の法王候補は取りざたもされなかったが、今ではイタリア人も米国人候補を話題にするようになっている」と様変わりぶりを指摘する。


 背景には、先進国の中で北米(米国、カナダ)におけるカトリック教徒人口の伸びが本家の欧州を大きく上回っている事情がある。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙によると、1970〜2010年の欧州のカトリック教徒の増加率は8%なのに対して、北米では49%の高率を記録している。


 イタリア誌レスプレッロのバチカン専門記者、サンドロ・マジステル氏(70)は「米国人口の4分の1にあたる約7500万人がカトリック教徒で、ヒスパニック系の信徒も多い。米国は『教会再生』の象徴になっており、それが、米国勢が(次期法王選びで)主要な役割を果たしている理由だ」と解説する。