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ドラマ『半沢直樹』の感想 ―銀行員たちは何を賭けて戦っているのか?(藤沢数希) - BLOGOS(ブロゴス)

僕が最初によくわからなかったのが、この銀行員たちがいったい何のために、権謀術数を張り巡らせて争っているのか、ということだった。その政治闘争に勝ち抜けば、億単位のボーナスがもらえるわけでもない。さらに驚くことは、こうした政治闘争に破れても、クビにさえならないことだ。そして、クビの代わりに、『出向』というのがあるらしいことがわかった。その出向というのは、「雇用関係にある企業に在籍をしたまま、子会社や関連会社において業務に従事すること」を言うらしく、驚くことに、給料さえ減らないのだ。ボーナスとかで1、2割減るかもしれないが。


勝っても金が貰えない、負けても金を取られない、いったい、この人たちはどういうゲームをしているのか? さっぱりわからない。いったい何を賭けて戦っているのかわからないまま、主人公の半沢直樹は、野心も能力もタフさも兼ね備えていて、時に違法行為まで犯しながら、繰り広げられる騙し合い、駆け引きの数々は、まるでスパイ映画『ミッション:インポッシブル』を見ているようだ。だとしたら、そこに賭けられているものは、数万人の人の命だったり、せめて数百億円の金であったりして欲しい、と思ってしまうのだが、そこで賭けられているのは、ささやかな出世か、出向かというせこいせめぎ合いなのだ。

しかし、しかしである。第3話、第4話と進むに連れて、僕もどんどんこのドラマにハマっていった。面白いと思った。それは日本の銀行の中の人事や出世の仕組みが理解できてきたからだと思う。まるで時代劇やマフィア映画を見るときのように、その組織独特の力学がというものがわかりはじめた。そして、銀行員たちが何を賭けて闘っているのか、理解した。それは、金よりも大切もの。命よりも大切なもの。


プライドだ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20130814#1376477118